ショ糖及び殺菌剤を利用したハナモモおよびユキヤナギの促成開花

タイトル ショ糖及び殺菌剤を利用したハナモモおよびユキヤナギの促成開花
担当機関 奈良県農業試験場
研究期間 1996~1997
研究担当者 今村有里
松倉一弘
発行年度 1997
要約 生け水にショ糖10%を添加して促成開花させたハナモモ切り枝では促成終了後の開花率が向上する。ユキヤナギ切り枝では、8-HQS 200ppm 溶液を用いて促成開花させると吸水量が増加して開花が促進される。
背景・ねらい  ハナモモやユキヤナギは奈良県中山間地域において栽培され、冬季の比較的余裕のある労働力を活用して切り枝促成が行われているが、その促成技術や品質保持技術については十分に検討されていない。そこで採枝後の促成期間を利用してショ糖や殺菌剤を吸収させることにより、ハナモモでは細枝の切り枝品質向上、ユキヤナギでは開花の促進を図る。
成果の内容・特徴
  1. 採枝後、調整したハナモモ‘矢口’切り枝をショ糖10%を添加した溶液に生け、暗黒下(温度20℃以上、相対湿度90%以上)で溶液につけたまま促成を行うと、水道水のみで促成処理を行った場合よりも吸水量が増えて枝重が増加するするとともに出荷後の開花率が向上する。また、ショ糖とともに殺菌剤として硫酸8ヒドロキシキノリン(8-HQS)200ppm、硫酸アルミニウム 1000ppm、ストレプトマイシン・有機銅水和剤 1000ppm、次亜塩素酸カルシウム 70ppmのいずれかを添加すると、ショ糖単独の場合に比べて、出荷後の開花率が向上する(表1、図1)。
  2. 採枝後、調整したユキヤナギ在来種の切り枝を8-HQS 200ppmを添加した溶液に挿し、5日間自然光の入る室内に置いた後、温室で促成開花させると、水道水の場合に比べて吸水量が112%に増加するとともに開花も促進される(表2)。

成果の活用面・留意点
  1. ハナモモでは、促成終了時の着色花蕾率にはショ糖の効果がみられない。また、ショ糖は細枝の開花率向上に有効で、充実した太枝の場合には水道水でもある程度開花する。
  2. ユキヤナギでは、ショ糖(2%)を添加して促成を行った場合、開花は促進されるものの吸水量が低下し、苞葉の展開が抑制され鑑賞価値が低下する。ショ糖に8-HQS 200ppmを添加した場合でも、ショ糖単独に比べて吸水量は増加するものの苞葉の展開はみられない。
  3. ユキヤナギでは、8-HQSの代わりに硫酸アルミニウムを用いると、萌芽が抑制されて開花しない。

図表1 210542-1.gif
図表2 210542-2.gif
図表3 210542-3.gif
カテゴリ 出荷調整 中山間地域 品質保持 もも

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