タイトル |
水田転換園ウンシュウミカンの高畝栽培における管理方法の改善 |
担当機関 |
山口県大島柑きつ試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
宮田明義
棟居信一
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発行年度 |
1998 |
要約 |
水田転換園における高畝栽培には防根シートによる根域制限が必要であり、品種としては樹勢の強いものが好ましい。樹形は双幹並列仕立てが、着果方法は半樹別結実が有効である。
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背景・ねらい |
水田転換園における高品質化技術の一つとして高畝栽培があり、現地への導入も図られている。しかし、その栽培様式は統一されておらず、品質向上効果が不十分であったり、著しい隔年結果を示している例も少なくない。そこで、高品質果実の安定生産が可能な高畝栽培の管理技術を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 高畝の底部に防根シートを敷設することによって着色促進、糖度の向上ならびに中玉果割合の増加など、品質向上効果が得られる。1樹当たりの収量は無底の高畝に比べて減少するが、単位樹冠容積当たりの収量は同程度かやや多くなる傾向にあり、隔年結果も減少する。また、樹冠が20%程度コンパクト化され、作業性や栽培年限の延長に有効である(表1)。
- 樹勢の弱い、品種では樹形間の品質および収量差は小さいが、樹勢の強い品種においては、品質および安定生産の面で双幹並列仕立て(図1)が有効である。また、薬剤防除時における薬液付着の点からも、本仕立て方法が適している(データ省略)。
- 大果系で隔年結果性の強い品種の結実方法としては、樹冠を2分割して毎年交互に結実させる半樹別交互結実法が適している。この結実法によって大玉果の大幅な減少による中玉化、連年結果性ならびに果汁糖度の向上効果が得られる(表2)。
- 樹体の維持管理の容易さ、あるいは収量確保の面から考えて、有底の高畝栽培には樹勢の比較的強い品種が適している(データ省略)。
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成果の活用面・留意点 |
- 水田転換園など、有効土層の深い園地における高品質化および省力化対策として活用できる。
- 有底の高畝栽培では適正な水分管理とその省力化のために、潅水施設が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
温州みかん
管理技術
省力化
水田転換園
着色促進
品種
防除
薬剤
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