タイトル |
日本在来の天敵寄生蜂 Aphidius gifuensis によるモモアカアブラムシの密度抑制効果 |
担当機関 |
中国農業試験場 |
研究期間 |
1998~2000 |
研究担当者 |
太田 泉
三浦一芸
小林正弘
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発行年度 |
1998 |
要約 |
日本在来の寄生蜂Aphidius gifuensisをモモアカアブラムシの発生初期に複数回放飼することにより,モモアカアブラムシの増加を抑制することが可能である。
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背景・ねらい |
寄生蜂Aphidius gifuensisは,害虫のモモアカアブラムシを好んで寄生することで知られている。Aphidius gifuensisはもともと日本に生息している在来種であるため,我が国の自然環境により適した特性を持つと考えられる。そこで,寄生蜂Aphidius gifuensisによるモモアカアブラムシの密度抑制効果を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- ガラス温室(4×5m)内に,モモアカアブラムシを接種したポット植えのチンゲンサイを置き,寄生蜂Aphidius gifuensisを表1の条件で放飼した。その結果,寄生蜂Aphidius gifuensisを雌雄0.5頭/株の密度で2回放飼した場合には,モモアカアブラムシ数の増加は抑制できない(図1の試験2)。
- 寄生蜂Aphidius gifuensisの放飼頭数や放飼回数を増やして,雌雄1頭/株の密度で5回放飼した場合,モモアカアブラムシ数の増加は抑えられる(図1図1の試験3,4)。特に寄生蜂Aphidius gifuensisをモモアカアブラムシの数が少ない時期に集中的に放飼すると,モモアカアブラムシは増加しない(図1図1の試験4)。
- 以上の結果から,寄生蜂Aphidius gifuensisをモモアカアブラムシの発生初期に複数回放飼すると,モモアカアブラムシの密度を抑制することが可能である。
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成果の活用面・留意点 |
- 寄生蜂Aphidius gifuensisは,モモアカアブラムシの数が少ない時期に放飼する必要がある。モモアカアブラムシが多発生の状態で寄生蜂Aphidius gifuensisを放飼しても,アブラムシの密度抑制効果は期待できない。
- 圃場における寄生蜂Aphidius gifuensisの最適な放飼頭数や放飼回数の解析は,今後の検討課題である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
害虫
チンゲンサイ
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