中山間地域における水稲の熟期拡大

タイトル 中山間地域における水稲の熟期拡大
担当機関 山口県農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 池尻明彦
井上浩一郎
斉藤康正
中津智裕
発行年度 1998
要約 コシヒカリでは、乳苗と稚苗を組み合せて移植期を30日ずらすことにより熟期を24日分散できる。早植えでは基肥を施用し初期生育を確保すること、遅植えでは生育中期の葉色が濃く推移するため、基肥施用量を抑える必要がある。
背景・ねらい  本県の中山間地域ではコシヒカリの栽培面積が多く、また、作業の受委託や規模拡大も進められていることから、移植栽培での収穫期間の拡大及び省力安定栽培技術が必要である。そこで、コシヒカリの乳苗を用いた早植え(4月下旬)と遅植え(5月下旬)の栽培法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 乳苗(7~12日苗)と稚苗(19~21日苗)を同時期に移植することにより4~5日程度熟期を拡大できる。また、稚苗の早植えと乳苗の遅植えを組み合わせて、移植期を30日程度ずらすことにより、稚苗並の収量を維持して熟期を24日程度拡大できる(表1、2)。
  2. 土壌溶液中の窒素は早植えの乳苗では移植後55~60日頃まで残存するが、遅植えの乳苗では移植後45~50日頃には消失する(図1)。
  3. 乳苗の安定栽培のためには、早植えでは基肥を施用し初期生育を確保し、最高茎数を500~550本/㎡程度に抑制する。遅植えでは最高茎数は少ないが、ラグ期が短く生育中期の葉色が濃く推移するため、基肥施用量を抑えるとともに、穂肥の施用量及び回数を抑える必要がある(表2、3)。

成果の活用面・留意点
  1. 乳苗は加温・保温に努めて苗丈8cm程度を確保し、移植に際しては圃場の均平化を図る。
  2. 乳苗を用いて4月下旬に移植する場合には、移植直後が低温に遭遇することが予想されるため、苗の硬化を十分に行い、移植後の水管理に注意し保温につとめる必要がある。
図表1 210677-1.gif
図表2 210677-2.gif
図表3 210677-3.gif
図表4 210677-4.gif
カテゴリ 安定栽培技術 規模拡大 水稲 中山間地域 水管理

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