タイトル |
歩行用再生紙マルチ直播シート敷設機 |
担当機関 |
中国農業試験場 |
研究期間 |
1998~2001 |
研究担当者 |
亀井雅浩
吉田智一
前岡邦彦
土屋史紀
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発行年度 |
1998 |
要約 |
水稲の再生紙マルチ直播シートを水田に展開する敷設機を開発した。本機は歩行用管理機に装着し、ゴムスポンジ付鎮圧ローラ、車輪・足跡消し装置等を装備しており、代かき後自然落水し表面水がほぼなくなった状態で敷設することにより、田面密着性が確保できる。
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背景・ねらい |
再生紙マルチ水稲直播栽培は、現在普及しつつある再生紙マルチ水稲移植栽培の利点を生かしながら、育苗、田植え作業が省略でき、大幅な省力化が期待される。しかし、再生紙マルチ直播シートを敷設する機械は未開発である。そこで、本栽培技術を中山間地域に多く存在する小区画圃場に導入するため、歩行用管理機に装着して作業可能な簡易敷設機を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本機は水田用車輪を備えた歩行用管理機に装着し、水稲の再生紙マルチ直播シート(5条用、長さ50m、幅1.6m、質量11kg)を水田に展開していく簡易な敷設機である(表1)。
- 再生紙マルチ直播シートの田面密着性を高めるため、種籾貼付部分を強めに鎮圧するゴムスポンジ付鎮圧ローラを採用している。また、機体の作業中の姿勢を保持するための姿勢制御バーや車輪・足跡消し装置、端押えローラ、シート支えバー、シート案内ローラ、マーカー等で構成される(図1)。
- 水面被度が30%程度の少量の用水で代かきし、その後自然落水して表面水がほぼなくなった状態で敷設作業を行うことにより、再生紙マルチ直播シートの田面密着性を確保しやすい(図2)。
- 敷設作業速度は0.2~0.4m/sで、敷設に要する総作業時間は、圃場の形状、大きさ、作業者の慣れ等により異なるが、10a当たり60~110分である(表2)。
- 本機で敷設した水稲の苗立ち率は、鳥害対策及び出芽までの落水管理を行うことにより、点播式で70~90%、条播式で50~70%が得られる。
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成果の活用面・留意点 |
- 本機は小規模水田における水稲の再生紙マルチ直播シートの敷設作業に利用できる。
- 本機による敷設作業は、作業者が後ろ向きに歩行するため、敷設時や枕地での旋回時の転倒、転落防止には十分注意を払う必要がある。また、幅の狭い水田用車輪を利用しているため、地耐力が著しく低い圃場には適応できない。
- 田面の高低差が大きいと、敷設時に凸部が過乾燥となり田面密着性が劣ることがあるので、代かきを丁寧にし、田面の均平に努める必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
乾燥
栽培技術
直播栽培
省力化
水田
水稲
中山間地域
鳥害
水管理
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