タイトル |
と畜時の低電圧電気刺激処理による牛肉の品質向上 |
担当機関 |
山口県畜産試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
岡崎 亮
小林 清敬
|
発行年度 |
1999 |
要約 |
と畜時の牛体に、低電圧電気刺激処理(電圧21V)を行うことにより、肉が柔らかくなり、また、肉色では明度、赤味が強くなるなど外観が良くなり、牛肉の品質が向上する。
|
背景・ねらい |
電気刺激処理は、死後硬直を短時間に終了させ、肉を軟らかくすることができる。しかしながら、これまでの成績は電圧が比較的高いものが多く、低電圧によるものは少ない。そこで、牛肉の高品質化をねらいとして、と畜時の牛体に与える低電圧電気刺激が、牛肉の品質に及ぼす影響について検討した。
|
成果の内容・特徴 |
- 電気刺激装置には、低電圧刺激装置(ビーフスティミュレーター)を使用した。本装置の一方の電極を、と畜場の牛体吊り下げ用のフレーム部に接続し(アース)、他方の電極を放血のために牛を吊り下げたときに、牛の鼻部に接続する。放血中に電圧21V10秒間の電気刺激を加える(図1)。
- 電気刺激処理することにより、無処理区に比べて胸最長筋(リブロース~サーロインロース)、半膜様筋(うちもも)とも、剪断力価が小さくなる(肉が軟らかくなる)(表2)。
- 加熱損失(クッキングロス)は両筋肉において多くなる。
- pHは変わらない。伸展率(弾力、伸びやすさ)は、半膜様筋の14日後では小さくなったが、他では有意差はない。
- 肉色は両筋肉ともa* 値が大きくなり(赤味が強くなる)、また、赤味の持続期間も長くなる。半膜様筋ではL* 値も大きくなる(明度が強くなる)(表3)。
- と畜時の低電圧電気刺激処理により、と畜後の早い時期から肉が軟らかくなり、通常の熟成期間(7~14日)より早く食用に供することが可能となる。また、赤味や明度が強くなるなど外観が良くなり、本処理は牛肉の品質向上の有効な手法のひとつである。
|
成果の活用面・留意点 |
- 加熱損失が多くなる。
- 本装置は、と畜場のフレームに配線(アース)するため、持ち運びには不向きである。
表1
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
肉牛
もも
|