タイトル |
地理情報システム(GIS)による傾斜度別農地面積の推定 |
担当機関 |
中国農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
高橋英博
村上晶子
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発行年度 |
1999 |
要約 |
地理情報システム(GIS)上で統合された土地利用データ、標高データより、集落単位の傾斜度別農地面積が算出できる。また、土地区画情報を利用することで、圃場別の傾斜分級図が作成でき、傾斜度を指標とした地域内の農地概況が分かる。
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背景・ねらい |
中山間地域において、環境保全機能の高い永続的な耕地利用を実現するため、地理情報システム(GIS)により、中山間地固有の農業にかかわる資源情報等の統合化を図る。このGISデータの利活用例として、現在検討が進められている中山間地域等への直接支払制度導入でも取り上げられている、傾斜度別の農地面積の推定を試みる。
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成果の内容・特徴 |
- 農地面積はメッシュ単位で集計を行う。面積誤差を小さくするため、メッシュサイズ5mでデータを作成する。GISソフトにより、数値地図25000(地図画像)から作成した等高線データを元にメッシュ標高データを作成し、傾斜度を算出するとともに、農地の境界域と集落界のデータから、土地利用と集落のメッシュデータを作成する。これらのメッシュデータを一括してクロス集計することで、表1のような区分に基づいて分級した傾斜度別の農地面積を集落ごとに算出できる(図1)。
- 圃場の土地区画の座標データとメッシュ標高データより、土地区画を構成する各点の標高値を求める。各点の位置座標と標高値より、圃場面を近似する平面を求め、圃場の傾斜度を算出する。この傾斜度を圃場の属性データとすることで、圃場別の傾斜分級図が作成でき、傾斜度を指標とした地域内の農地概況が分かる(図2)。
- 農地面積は耕作放棄や地目の変更等により年々変化するため、利用する土地利用データの情報が古い場合には現況との違いが大きくなる。そこで、農業センサスデータを利用して田および畑の年当たりの増減面積を求め、土地利用データから得られた農地面積を補正することで、現況により近い推定が行える(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 面積の推計値の精度をあげるためには、なるべく新しい土地利用情報を参照する。
- 本成果での農地の傾斜度算出方法は、直接支払制度検討に伴い実施された調査における方法とは相違がある。
- GPSによる測量結果のように、位置座標と高さの情報が同時に得られている場合は、メッシュ標高データを使用することなく、圃場の傾斜度が算出できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
GPS
中山間地域
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