タイトル |
傾斜地水田の畦畔に導入する省力管理型草種 |
担当機関 |
山口県農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
吉永 巧
井上浩一郎
村山英樹
小田俊光
|
発行年度 |
1999 |
要約 |
基盤整備後の畦畔管理の省力化を図るための導入草種として、畦畔法面に芝を張り付けることにより年間の草刈を1~2回に、また、ターフタイプの寒地型牧草を吹き付けた場合には2~3回に省力化できる。
|
背景・ねらい |
中山間地帯の水田は高い法面が多いため畦畔の雑草管理への重労働感は強い。また、基盤整備後雑草が被覆するまでに畦畔が浸食され一部には崩壊する畦畔がみられることから、基盤整備後の畦畔を保護するとともに、その後の畦畔雑草の省力管理技術が必要である。そこで、法面への芝の張り付け及びターフタイプの寒地型牧草を吹き付けることによる省力管理法について検討した。
|
成果の内容・特徴 |
- 芝の法面被覆の速さは、「みやこ」が最も優れ、次いでノシバであった。張り付け方法では目地張りが優れた。市松張りでは1年後には「みやこ」で87%、ノシバで65%被覆した。条植えでは、張り付け1年後に「みやこ」で70%、ノシバで55%被覆し、2年後には「みやこ」で95%、ノシバで70%となり、市松張りと同程度被覆した。(表1)
- 芝が被覆した後の畦畔管理は、「みやこ」は6月から7月に1回刈払うことで省力管理が可能であるが、ノシバでは雑草の侵入が多い場合には5月と7月の2回刈払う必要がある。(表2)
- 寒地型牧草(ファルコン、レッドトップ、クリーピングレッドフェスク、フィア) を混播した場合、年間の刈払 い回数を通常の4~6回から2~3回(5月、7月、11月)に減少できる。(表3、4)
- 基盤整備後の水田法面の保護とその後の雑草管理を省力的に行うには芝の張り付けの 効果が最も高いが、経済性を考えると4~5m以上の法面ではターフタイプの寒地型牧草の吹き付けがよい。
|
成果の活用面・留意点 |
- 芝の張り付け時期は、乾燥を防ぎ活着を早めるため梅雨の期間に行う。ノシバは「みやこ」に比べ乾燥にやや弱いため、晴天が続く場合は灌水して活着を促進する。
- 芝の生育力を確保するため、2~3年に1回、夏雑草生育盛期を過ぎた7月中~下旬に水稲穂肥と併せて少量の窒素肥料を散布する。
- 寒地型牧草では出穂時期の5月の刈り払いは必ず行う。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
肥料
病害虫
乾燥
寒地
くり
傾斜地
畦畔管理
雑草
省力化
省力管理技術
水田
中山間地域
|