タイトル |
水稲乾田直播栽培における脱粒性イネの雑草化と対応策 |
担当機関 |
岡山県農業総合センター |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
石井俊雄
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発行年度 |
1999 |
要約 |
岡山県南部の水稲乾田直播栽培で脱粒性イネの雑草化が確認された。この脱粒性イネは年々増殖して減収による被害につながることがある。そのため,乾田直播栽培では落ち生えの多発を防ぐようにし、被害の多い圃場では移植栽培や転作作物に転換する必要がある。
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背景・ねらい |
岡山県南部の一部の水稲乾田直播圃場で、極めて脱粒性の高いイネが確認され、多大な被害が発生した圃場もあった。今後の被害拡大が懸念される。そこで、発生実態調査から生態的特性を明らかにし、発生防止法を樹立する。
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成果の内容・特徴 |
- 雑草化した脱粒性イネの発生を岡山県南部の耕起乾田直播と不耕起乾田直播のアケボノ、吉備の華、雄町を栽培している圃場で確認された(表1)。
- アケボノを乾田直播栽培している圃場で採種された脱粒性イネは8割から9割の籾を脱粒させ、稈長や穂長等に若干の変異はあるものの、草姿等はアケボノに似ている(表2)。
- 乾田直播圃場で前年に脱粒した脱粒性イネは5月頃に播種された栽培品種とほぼ同じ時期に出芽する。9月下旬から脱粒が始まり10月下旬の収穫前にほとんど脱粒する(図1)。
- 脱粒性イネの発生は5月上旬以前の播種圃場に多く、発生の著しい圃場では、同農家の他圃場や隣接圃場への拡散も見られる。
- 当面の対策として、(1)直播圃場では採種をしない、(2)播種時期は5月下旬以降とし早期播種はしない、(3)播種後出芽前に非選択性除草剤を散布し発生した落ち生えを防除する、(4)落ち生えが多発している部分を除草する、(5)脱粒性イネの拡散を防止するため被害圃場での作業後は農業機械等の清掃を充分行う、(6)脱粒性イネが発生した場合には、移植栽培や大豆等の転作作物を栽培する等があげられる。
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成果の活用面・留意点 |
- 脱粒性系統の特性は不明な点も多く現在調査中であり、上記の対策は暫定的なものである。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
乾田直播
雑草
除草
除草剤
水稲
大豆
播種
品種
防除
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