タイトル |
スプレーギクの養液栽培におけるフェノール発泡樹脂の培地特性 |
担当機関 |
和歌山県農林水産総合技術センター |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
里村博輝
|
発行年度 |
1999 |
要約 |
スプレーギクの養液栽培においてフェノール発泡樹脂はロックウール粒状綿より保水力が小さく、細粒の樹脂が下層に集積しやすいが、生育や切り花品質はロックウール粒状綿と比べて差はなく、代替培地として有望と判断できる。
|
背景・ねらい |
近年、トマトやバラのロックウール(RW培地)栽培面積が急増している。しかし、使用済みロックウールの廃棄処分やリサイクル利用は必ずしも充分でないため、有機質培地を始めとする環境保全的な代替培地の検索が必要である。そこで、スプレーギクを材料として、プランターを使用したコンテナ式養液栽培におけるフェノール発泡樹脂(PH樹脂)の培地特性を明らかにする。
|
成果の内容・特徴 |
- 栽培前の三相構造は両培地で類似しており、孔隙率に差はないが含水率はPH樹脂がやや高い(表1)。
- スプレーギクを約3ヶ月間栽培後、RW粒状綿の三相構造は栽培前と同じ値であったが、PH樹脂では排液率を35%以下に低く設定した場合は、栽培前と比べて気相率が高くなり液相率が低下する。排液率が高くなるとその傾向は逆転する(表1)。
- プランター内の上層に比べて下層は気相率が低く、この傾向は特にPH樹脂で顕著である。栽培終了後の両培地には塩類集積が認められたが、特に排液率が小さい場合に著しい(表2)。
- EC値は排液率が小さいほど高まり、pH値は上昇する傾向が見られる。排液率が小さい場合、硝酸、カルシウム、マグネシウムなどの集積が顕著である(表2)。
- スプレーギクの草丈伸長や出葉速度は、両培地でほぼ同様であり、開花日や切り花品質も明瞭な差は認められない(表3)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 上層部が乾きやすいため、活着までの定植後1週間程度は手潅水を行う。
- 焼却処分が可能であり、25円/Lとロックウールより安価である。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
きく
栽培技術
トマト
ばら
養液栽培
|