タイトル |
岡山県における主要果樹の樹園地評価基準の作成 |
担当機関 |
岡山県農業総合センター |
研究期間 |
2000~2001 |
研究担当者 |
山本晃郎
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発行年度 |
2000 |
要約 |
主要果樹の樹園地評価基準を作成した。評価は、樹園地を自然条件と土壌条件、作業条件、樹体条件に分類し、17項目のウェイト値に評価しようとする園の状態別ウェイトをそれぞれ乗算し、その合計値をもって点数として表す。
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背景・ねらい |
果樹生産は自然条件や作業条件等で適地性を強く求めるとともに、果樹が永年性作物であるため、樹園地は樹体との一体的な貸借が基本となる。そのため、樹園地の評価は難しく、このことが流動化を難しくする要因の一つになっている。そこで、本県の主要果樹(もも、露地ぶどう、なし)における樹園地評価基準を作成する。
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成果の内容・特徴 |
- 樹園地を評価するに当たっては、樹園地条件を生産条件と樹体条件に大別し、さらに生産条件は与件的条件である自然条件と人為的行為で一定の改善が可能な土壌条件、作業条件に整理した。また、各条件を構成する評価内容について2~7つ、合計17項目を設定するとともに、それぞれの項目に対して想定される樹園地の状態を設けることで、県下の多くの樹園地をカバーできるようにした(図1)。
- 評価基準値の作成は専門家へのアンケート調査によった。項目ごとのウェイト値は、樹園地の貸借に際して重要になる項目を順に10以内で選択後に配点法で求めた。一方、状態別のウェイト値は、最も望まれる状態にある園を基準に、それ以外の状態の樹園地がどの程度の価値になるかを数値で記入後に指数化することで求めた。
- 樹園地の評価は、項目別のウェイト値に評価しようとする樹園地の状態別ウェイト値を乗算し、その合計値をもって評価点数(最高100点)とした。このことにより、評価を客観的かつ単純な点数として表すことが可能になった(図1)。また、利用者の便宜を図ることを目的に、市販の表計算ソフトを利用した対話形式による樹園地評価支援ツールを作成した。
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成果の活用面・留意点 |
- 本評価基準を利用すれば樹園地一筆ごとの相対評価が可能になる。また、樹園地の貸借において貸借双方の思惑が排除されることから合意形成が図りやすくなる。
- 本評価基準は本県全体の樹園地を対象とした基準であるが、同様の手法で地域版の基準作成も可能である。
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図表1 |
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カテゴリ |
評価基準
ぶどう
もも
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