薩摩鶏・白色プリマスロック交雑F2 家系ニワトリにおける腹腔内脂肪蓄積のQTLのマッピング

タイトル 薩摩鶏・白色プリマスロック交雑F2 家系ニワトリにおける腹腔内脂肪蓄積のQTLのマッピング
担当機関 兵庫県立中央農業技術センター
研究期間 2000~2001
研究担当者 藤中邦則
龍田 健
和田政夫
発行年度 2000
要約 薩摩鶏・白色プリマスロック交雑F2 家系ニワトリの腹腔内脂肪蓄積に関する量的形質遺伝子座(QTL)が第7染色体のセントロメアから38cM付近にあることが判明した。
背景・ねらい  本県の特産鶏「ひょうご味どり」は薩摩鶏雄と名古屋種雌との二元交配鶏「兵庫」に劣性白色プリマスロックを交配した三元交配鶏であるが、ブロイラーの約2倍の飼育期間を要し、それに伴い腹腔内脂肪が多く蓄積し、その抑制が課題となっている。また、本鶏の腹腔内脂肪の蓄積は飼料や添加剤では制御することが困難であり、遺伝的な面からの脂肪蓄積抑制の改良が求められている。
 「ひょうご味どり」の生産性向上のため、腹腔内脂肪蓄積に関与するQTLのマッピングをマイクロサテライトDNAマーカーを用いて行った。
成果の内容・特徴
  1. 薩摩鶏雄と白色プリマスロック雌各1羽から得られたF1 雄2羽とF1 雌10羽から3回に分けて作られたF2 個体222羽の16週齢における生体重に対する腹腔内脂肪重量割合(腹腔内脂肪割合)は各孵化の間に有意差はなく、実験家系として有効であった。
  2. 14本の常染色体上の78個のマイクロサテライトDNAマーカー(マーカー)を用いたF2 個体のDNA型と腹腔内脂肪割合との連鎖解析の結果、腹腔内脂肪蓄積に関与するQTLは第7染色体のセントロメアから38センチモルガン(cM)に存在することが推定された(図1)。
  3. 利用したマーカーの中でこの部分に最も近いマーカーはMCW316であった。
  4. MCW316において薩摩鶏のアリールはAA型で白色プリマスロックではBB型と表され、F2 においてAA型の腹腔内脂肪割合がBB型及びAB型よりも有意に(P<0.0005)多かった(表1)。

成果の活用面・留意点
    薩摩鶏・白色プリマスロック交雑F2 家系ニワトリの腹腔内脂肪蓄積に関与する両鶏由来のQTLの位置と効果が明らかになったので、マーカーを用いてQTL領域を含むハプロタイプの推定ができれば、「ひょうご味どり」のマーカーアシスト選抜に利用できる。

図表1 211090-1.jpg
図表2 211090-2.jpg
カテゴリ DNAマーカー

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