タイトル | 乾燥から精米の調製作業を自動で行うことのできる穀物自動乾燥調製装置 |
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担当機関 | 生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
(株)山本製作所 久保田興太郎 金子農機(株) 市川友彦 静岡製機(株) 日高靖之 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 乾燥から精米に至る一連の作業を自動で行うことのできる装置である。遠赤外線乾燥、遠心籾摺、縦型研削摩擦精米、色彩選別、残穀処理により高品質な穀物の収穫後処理を可能にする。また、本装置は低騒音で作業環境の改善に寄与できる。 |
キーワード | 遠赤外線乾燥、遠心籾摺、自動、高品質、低騒音 |
背景・ねらい | 消費者ニーズに応えた低コストで高品質な米生産を行い、生産者に労働負担を少なく、計画的かつ効率的な米調製・出荷を行うために、乾燥機や調製機等の低コスト化、高性能化が必要である。そこで、遠赤外線を利用した乾燥機構及び遠心力を利用した籾摺機構を有し、乾燥、籾摺、選別、精米等を一貫して行うことのできる装置(穀物自動乾燥調製装置[グレインプロセッサ:GP])を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 乾燥、籾摺、精米、選別の個別作業を、連続して自動運転できる装置である。乾燥部は遠赤外線乾燥方式である。籾摺部はインペラ式、精米部は縦型研削摩擦式である。色彩選別部は、精米-着色粒選別、玄米-籾選別が行える。乾燥工程以降を行う調製部は、各部装置の構造・配置、各部装置間での穀物搬送を工夫し装置全体を機枠に収めコンパクトで、現地組立てを必要とせず低コスト化に貢献できる。また、切換バルブにより、精米排出、玄米排出が可能である。一連の操作はタッチパネルにより容易に設定できる(図1)。 2. 乾燥部は、乾燥速度平均0.9%/hである。調製部は、毎時籾処理量平均376kg/hで、玄米、精米ともに高品質な仕上がりである(表1)。 3. 乾燥から籾摺の作業において、熱風乾燥機とロール式籾摺機(3~5インチ)を用いた場合と比較して、GPの場合は乾燥直後に籾摺を行っても肌ずれが少ない。GP[調製部]の機内残穀は、ロール式籾摺機と比較して極めて少ない(表2)。 4. インペラ式籾摺機で籾摺した玄米は、ロール式籾摺機で籾摺したものより、脂肪酸度の増加は緩やかな傾向を示し、貯蔵性の向上が期待される(図2)。 5. GP[調製部]の騒音は、ロール式籾摺機(3インチ)と比較して、玄米排出時で10dB[A特性]、精米排出時で8dB[A特性]程度低い。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 高性能農業機械実用化促進事業に移行し、平成15年1月から市販化されている。 2. 各経営体の出荷様式に合わせた、タンク等の設備が必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 乾燥 経営管理 市販化 出荷調整 低コスト |