タイトル | 細霧吸着方式の畜舎換気用除じん・脱臭装置 |
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担当機関 | 生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
原田泰弘 古山隆司 根津昌樹 松下エコシステムズ(株) 道宗直昭 福森功 名川稔 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 無窓子豚舎などの小規模な閉鎖型畜舎の換気扇から排出される空気中の粉じん、臭気成分を微細水滴と接触させることにより除去する装置。閉鎖型畜舎の排出空気の粉じん濃度を0.1mg/m3以下、アンモニア濃度を2ppm以下に低減できる。 |
キーワード | 閉鎖型畜舎、無窓畜舎、除じん、脱臭、微細水滴、粉じん、悪臭 |
背景・ねらい | 畜産経営に起因する苦情は、発生件数の6割以上を悪臭が占めている。悪臭の発生源の一つである畜舎から排出された粉じん、臭気物質を含む空気に対する効果的な対策技術は実用化されていない。そこで、普及が進みつつある無窓子豚舎などの小規模な閉鎖型畜舎のうち、土地に制約のある都市近郊の畜舎を対象として、その換気扇から排出される空気に含まれる粉じんと臭気成分を低減できる装置を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 細霧吸着方式の畜舎換気用除じん・脱臭装置は、送風部、細霧吸着部、水タンク部、気水分離部から構成される(図1、図2、表)。 2. 畜舎から排出された空気は、送風部を介して細霧吸着部に送入され、細霧吸着部で旋回流となる。細霧吸着部では、水噴霧により微細水滴を作り出し、旋回流となった空気と微細水滴との接触により、空気中の粉じんを吸着し、アンモニア等の臭気成分を溶解して除去する。 3. 粉じん、臭気成分を含む水は気水分離部で空気と分離され、水タンク内に回収されて再利用される。水質は、処理すべき風量とアンモニア濃度に応じた給排水量によって制御する。 4. 無窓子豚舎から排出される空気に含まれる粉じんを0.1mg/m3以下に除じんすることができる(図3)。 5. 無窓子豚舎から排出される空気に含まれるアンモニアを2ppm以下に脱臭することができる(図3)。 6. 本装置は、1台で処理風量50~300m3/min(50m3/min間隔)まで対応可能である。 7. 生物脱臭方式と比較して高価であるが、設置面積が小さく、土地に制約のある都市近郊の閉鎖型畜舎に適用できる。 8. 給排水量は1.5~2.5t/日である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 高性能農業機械実用化促進事業を経て、平成15年度内に市販化の予定である。 2. 無窓子豚舎などの小規模な閉鎖型畜舎を対象とする。 3. 装置の排水は、農場内の排水浄化処理施設で処理する必要がある。 4. 脱臭装置は豚舎の近くに設置する。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 経営管理 市販化 豚 |