穀物循環型紫外線照射装置による小麦表面付着菌の殺菌

タイトル 穀物循環型紫外線照射装置による小麦表面付着菌の殺菌
担当機関 生物系特定産業技術研究推進機構
研究期間 1997~2001
研究担当者 久保田興太郎
日高靖之
発行年度 2002
要約 小麦を循環させながら紫外線を照射することにより、品質に大きな影響を与えることなく、小麦表面付着菌を殺菌することができる。また、紫外線照射部に二酸化チタンを塗布することにより、殺菌時間が短縮できる。紫外線エネルギは2.8MJ/tと推定できる。
キーワード 紫外線、二酸化チタン、殺菌、品質、小麦
背景・ねらい 食品の安全性が叫ばれている中、農産物についても原料の段階から食品衛生を考える必要性がでてきている。そこで、ポストハーベスト農薬を用いることなく、穀物を安全に環境にやさしく乾燥して貯蔵するため、紫外線を用い品質劣化の原因である微生物を殺菌する技術の開発をする。
成果の内容・特徴 1.
穀物循環型紫外線照射装置は試作装置で、小麦を循環させながら紫外線を照射する構造である。上段及び下段のベルトコンベヤ上方に、中心波長254nmで、65Wの紫外線ランプを2灯づつ計4灯設置している。穀物循環量は500kg/hで、小麦層の厚さは4.4mmである。紫外線ランプと小麦層の距離は2cmで、紫外線照度は97W/m2である。紫外線照射部内側及びベルトコンベヤに二酸化チタンを塗布したものと、無塗布のものがある(図1)。
2.
紫外線照射により、細菌は2.1分、かびは1.9分の照射時間で90%の殺菌率を得ることができる。二酸化チタンを塗布した装置の場合では、細菌は1.6分、かびは1.5分の紫外線照射時間で90%の殺菌率を得ることができる。二酸化チタンを塗布した方が、細菌、かびともに短時間で殺菌することができる(図2)。
3.
97W/m2-5分間以内の紫外線照射及び二酸化チタンによる品質への大きな影響は認められない(表1)。
4.
90%の殺菌率を得るために必要な紫外線エネルギは、穀物1t当り2.8MJと推定できる(表2)。
成果の活用面・留意点 1.
穀物衛生管理システムの開発研究に利用する。
2.
種籾消毒等幅広い利用も考えられるが更なる検討が必要である。
3.
パイロットプラント等での実証実験が必要である。
図表1 211190-1.gif
図表2 211190-2.gif
図表3 211190-3.gif
図表4 211190-4.gif
カテゴリ 病害虫 乾燥 管理システム 小麦 農薬

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