設定が容易で作業中に任意に施肥量を変更できる施肥制御装置

タイトル 設定が容易で作業中に任意に施肥量を変更できる施肥制御装置
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究期間 2000~2003
研究担当者 ヤンマー農機(株)
井関農機(株)
紺屋秀之
市川友彦
初田工業(株)
小西達也
西村洋
土屋史紀
堀尾光広
林 和信
発行年度 2003
要約 施肥量とかさ密度を入力するだけの簡易な操作により精度の高い施肥ができ、作業中のボタン操作によって任意に施肥量を変更できる、田植機側条施肥機や水田ビークル用粒状物散布機等電気的に繰出量を調整する機構を有する各種施肥用機械に装着可能な施肥制御装置である。手動操作による手動モードと外部コンピュータからの指令による自動モードを有している。
キーワード 精密農業、可変施肥、基肥、追肥、側条施肥
背景・ねらい
 水稲作における現行の施肥機は、肥料の物性によって繰出特性が変化することから、予備的な繰出しによる調量を行う必要があり、作業受託など大規模作業を行う場合能率低下の原因となっている。また、大区画ほ場の造成が進む中で、ほ場内の地力むらによる収量・品質むらが問題となっているが、現行機では作業中に施肥量を任意に変更することができず常に均一量の施肥作業を余儀なくされている。そこで、施肥量設定が容易で、作業中に施肥量を任意に変更することができ、各種施肥用機械に装着可能な施肥制御装置を開発した。
成果の内容・特徴 1.
各種センサ入力ポート、直流モータコントローラ、シリアル通信ポート及び演算機能を有する制御部と、施肥量及びかさ密度の入力と表示、手動モードと自動モードの切り替えを行う表示部で構成される施肥制御装置である。各種施肥機の繰出機構に対応させたセンシング(設定株間検出センサ、車速センサなど)、フィードバック制御及び制御ソフトウェアを構築することにより、種々の施肥機に装着することが可能である(図1)。
2.
施肥量(現物kg/10a)と肥料のかさ密度を入力するだけで、予め用意された検量線をもとに繰出部の回転速度を算出するとともに、機種によっては設定株間や車速で回転速度を補正し、±5%以内の精度の高い施肥を行うことができる(図3)。
3.
施肥作業中に表示操作部にある増減ボタンを操作することにより、任意または段階的に施肥量を変更することができる。
4.
外部コンピュータとRS-232C経由で接続する機能を有し、コンピュータからのデータに応じて自動的に施肥量を変更することができる。
5.
田植機側条施肥機(図2)及び水田ビークル用粒状物散布機に装着し、高い繰出精度を確認した(図3)。また、精密農業における可変施肥装置として利用可能である(表)。
成果の活用面・留意点 1.
高性能農業機械実用化促進事業に移行し、市販化が予定されている。
2.
本装置の利用により、精密農業に対応した可変施肥作業を簡便に行うことができるとともに、作業受託など大規模作業の能率向上に寄与できる。
3.
機械施肥を前提とした粒状肥料を利用すること。また、肥料のかさ密度を事前に調べる必要がある。
4.
従来と同様、スリップ率が一般的なほ場条件と大幅に異なる場合は、設定施肥量の調整等で対応する必要がある。
図表1 211217-1.jpg
図表2 211217-2.gif
図表3 211217-3.gif
図表4 211217-4.gif
カテゴリ 肥料 市販化 水田 水稲 施肥 センシング

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