タイトル | 角形コンテナサイロによる地ビール粕の貯蔵・利用技術 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
近藤恒夫 河本英憲 村元隆行 東山雅一 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 市販のプラスチック製角形コンテナを用いた簡易サイロで、発酵品質の良好な地ビール粕サイレージを調製・貯蔵できる。この角形コンテナサイロは、地ビール粕サイレージの運搬容器としてそのまま利用できる。 |
背景・ねらい | 平成6年の酒税法改正に伴い、全国に地ビール製造事業所が数多く生まれ、平成14年現在で事業所総数は220以上にのぼる。北東北における食品リサイクルに関する調査結果によれば、地ビール製造事業所から排出される地ビール粕は飼料利用の実績はあるものの、保存性に難があるため、しばしば畜産農家に敬遠されることが問題となっている。地ビール粕の通年的、安定的な飼料利用を図るには、実状に応じた簡易な貯蔵・利用技術を開発する必要がある。 |
成果の内容・特徴 | 1. 角形コンテナサイロは、移動用キャスター(市販品)を装着し、排汁口(本体の付属品)を付けたコンテナ本体(市販品、容量300~500L)、周囲に密着資材(市販のすき間テープなど)を貼り巡らした蓋(本体の付属品)、ゴムベルト(市販品あるいは自転車のゴムチューブ)からなる(図1、写真)。 2. コンテナ本体に地ビール粕を詰めて蓋を被せ、ゴムベルトで締めて密封すると、4日程度で地ビール粕サイレージができる。地ビール粕サイレージの発酵品質は良好で、密封後少なくとも約3週間は保存できる(表)。 3. 地ビール製造事業所で角形コンテナサイロに地ビール粕を詰め、密封したまま畜産農家まで車両で運搬する。畜産農家で地ビール粕サイレージを家畜に給与し、空になった角形コンテナサイロを再び地ビール製造事業所に戻す(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 小規模な地ビール製造事業所(年間生産量100kL程度以下)のビール粕処理技術、畜産農家の飼料調製技術として活用できる。 2. 角形コンテナサイロの資材費はおよそ11万円である。 3. 地ビール粕を詰めた角形コンテナサイロの積み下ろしには、フォークリフトなどの作業機が必要である。 4. 地ビール粕サイレージは好気的変敗が起こりにくいが、開封してから1週間以内に使い切ることが望ましい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
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