タイトル | バーコード読み取りによる簡便な携帯電話用・農薬使用警告システム |
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担当機関 | モデル開発チーム |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
菅原幸治 南石晃明 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 携帯電話を活用して、農作業中に農薬使用基準に反する農薬使用を事前に警告する警告システムである。農薬登録番号や農薬容器のバーコードを送信すると、農薬使用判定ができる。農薬使用に問題が無い場合には、判定内容をそのまま記録でき履歴記帳作業が省力化できる。 |
キーワード | 農薬ナビ、農薬使用、事前警告システム |
背景・ねらい | 農薬使用基準の遵守や農薬使用履歴の記帳は、農業生産管理の重要なテーマになっている。しかし、記帳作業の負担が大きく農業者にとってメリットが不明確なことが問題点となっている。適正農業規範GAPや農産物トレーサビリティーシステムの導入・普及を促進するためには、圃場や農薬庫での農作業中に利用でき農薬利用の事前リスク管理に有効であり、農薬使用履歴記帳と一体化した農薬誤使用を警告するシステムが必要とされている。 |
成果の内容・特徴 | 1. 農薬使用時の事前判定と農薬使用履歴記帳を一体的に行うことが可能になる(図)。防除作業直前に、使用したい農薬使用の適否を圃場や農薬庫から携帯電話を用いて簡単に判定でき、農薬誤使用が未然に防止できる。また、農薬使用に問題が無ければ、判定内容をそのまま農薬使用履歴として記録することができ、農薬使用履歴の誤記が防止でき、さらに履歴記帳作業が省力化できる。 2. 事前判定では、過去の農薬使用履歴と今後の農薬使用計画を考慮した2タイプの判定ができる(図)。「今日までの判定」では、判定日までの農薬使用計画・履歴と今回の農薬使用を対象に判定を行う。「明日以降の判定」では、「今日までの判定」に加えて、明日以降の農薬使用計画を含む全ての計画・履歴を対象に判定を行う。これにより、使用回数上限の農薬について、今回の農薬使用を優先すべきか、防除暦で予定されている将来の農薬使用を優先すべきかなど、防除作業支援ができる。 3. 携帯電話(NTT DoCoMo FOMA、MOVA)専用iアプリを利用することにより、農薬容器バーコード読み取りから、判定結果表示までの一連のキー操作が最低3回で可能になる。他のメーカ・機種でも利用できるが操作回数が増える。全農・農薬工業会等の協力により約3000件のバーコードデータに対応している。事前に農薬ナビ判定サーバに携帯電話「個体識別情報」を登録することにより、サーバlogin時のキー入力が不要である。 4. 本研究成果に基づいた「農薬ナビを活用した農薬リスク管理システム」の商品開発が行われている。このシステムは農協用の業務ソフトであり、試験利用した50歳未満の全員(5人)、全利用者(29人、うち24人が50歳以上)の半数が、継続利用を希望しており、実用性が高いことが明らかになっている。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 判定は農薬ナビ判定サーバが行う。利用者登録(http://nouyaku-navi.info/)を行うことで、試験運用中のシステムを無料で体験できる。ただし、営利目的の利用は不可。 2. 判定結果は適法性を保証するものではなく、利用者の責任において利用すること。事前に農薬使用計画を作成し、農薬ナビ判定サーバへ送信・判定することが望ましい。 3. 商用版製品システムは、共同研究機関ソリマチ(株)が販売予定(2006年4月)。 |
図表1 | |
カテゴリ | 病害虫 管理システム 省力化 農薬 防除 |