タイトル | 合成性フェロモントラップによるアカヒゲホソミドリカスミカメの発生消長の把握 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
高橋明彦 佐藤秀明(新潟農総研) 青木由美(富山農試) 石本万寿広(新潟農総研) 村岡裕一(富山農試) 滝田雅美(山形農総研) 樋口博也 福本毅彦(信越化学) 望月文昭(信越化学) 野口忠久(長野農事試) |
発行年度 | 2005 |
要約 | アカヒゲホソミドリカスミカメ合成性フェロモン剤を誘引源としたトラップによる雄の誘殺消長は、設置場所の成虫の発生消長を反映している。トラップとしては、水盤トラップと粘着トラップで誘殺雄数に差がなく、草冠高に設置すると捕獲効率が高い。 |
キーワード | アカヒゲホソミドリカスミカメ、性フェロモン、トラップ、誘殺消長、発生消長 |
背景・ねらい | アカヒゲホソミドリカスミカメは、雌が雄を誘引し、雄を誘引する性フェロモン成分も明らかにされている。また、合成性フェロモンの量とその誘引性、誘引性の持続期間についても明らかにされ、本種の発生消長の把握に合成性フェロモン剤を誘引源としたトラップが利用できる可能性が高い。そこで、合成性フェロモン剤を誘引源としたトラップの種類と設置高による捕獲効率を検討する。さらに、農道と水田内にトラップを設置し、トラップの誘殺消長とトラップを設置した場所周辺の本種の発生消長を調べ、トラップの発生消長把握における有効性を評価する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 合成性フェロモン剤を誘引源とした水盤トラップと粘着トラップの誘殺雄数は同程度である(図1)。 2. トラップの誘殺雄数は、設置する高さにより変動し、草冠高あるいはこれよりやや低い高さで多い(図2)。 3. 図3)。 4. 水田(12×25m)中央部、イネの草冠高に設置したトラップの誘殺雄数の推移は、すくい取りでの成虫数の推移を反映している(図4)。 5. トラップの誘殺消長は、トラップ設置場所の成虫の発生状況を反映しており、成虫の発生消長の把握に有効である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 合成性フェロモン剤は、n-hexyl n-hexanoate、(E)-2-hexenyl n-hexanoate、n-octyl n-butyrateを100:40:3の比率で混合し、0.01mgをゴムキャップに含浸させたものを用いる。 2. 水盤トラップは、直径45cm、深さ14.5cmで水色のものを使用し、合成性フェロモン剤は水面上約10cmの高さに吊り下げる。粘着トラップは、白色の粘着板(24×30cm)2枚を背中合わせにして垂直に設置し、粘着板上辺中央部に合成性フェロモン剤を設置する。 3. トラップは草冠高の変化に応じて、5∼10日程度の間隔で高さを調整する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 水田 性フェロモン |