タイトル |
使用済み農用ゴムクローラの自動切断装置 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター |
研究期間 |
2003~2006 |
研究担当者 |
小倉昭男
大西正洋
津賀幸之介
藤井幸人
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発行年度 |
2006 |
要約 |
使用済み農用ゴムクローラの芯金を検知して、芯金の位置を避けた任意の間隔に効率的に切断を行うことにより、運搬やハンドリングを容易にすることができる装置。
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キーワード |
農用ゴムクローラ、切断、芯金、廃棄処理
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背景・ねらい |
農用ゴムクローラは、質量、大きさ、形状等が多種に及び、また、鉄塊状の芯金を含む構造のため既存の装置による切断・破砕処理が容易でない。このため、産業廃棄物処理業者から受け入れを敬遠されているのが実情であり、農業者、農業機械販売整備業者および産業廃棄物処理業者等の各段階で処理困難物として放置または不法投棄が指摘されている。そこで、使用済み農用ゴムクローラの埋立て処理や鉄リサイクル等における運搬やハンドリングを容易にするために、切断を効率的に行うことができる装置を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 帯状のゴムクローラ(幅110mm~600mm)の芯金1個を最小単位として、芯金と芯金の間を幅方向に任意の間隔で切断ができる装置である(図1、図2)。供給台に載荷した後、搬送及び切断操作を手動で行う手動運転モードと、これらの操作をプログラマブルコントローラで行う連続自動運転モードがある。
- V字形状に配列した可動式上刃と固定式下刃によるせん断方式を特徴とし(図3)、ゴムクローラの中央ゴム部から左右両端方向に向かって切断するため切断負荷を分散させることができ、また、内部のスチールコードの噛み込みを回避して切断できる。
- 連続自動運転モードでは、供給されるゴムクローラの芯金間隔を予め入力し、その値と近接センサを用いた芯金幅の検出値とから芯金と芯金の中間が切断位置となるように搬送制御する。また、切断位置に芯金がある場合は切断操作が一時停止されるため、切断刃の破損を防ぐことができる。
- 連続自動運転モードにおける芯金1個単位の切断時間は約18秒を要し(表)、大型ゴムクローラ(6条刈りコンバイン用、幅600mm、全長5040mm(芯金数56))を芯金1個単位に切断する場合、供給台への載荷時間を含め1時間あたり約3本の切断処理が可能である。
- 電動ウィンチにより、大型ゴムクローラ(約170kg)の搬送部への載荷供給を一人で行うことができる。
- 直径750mm程度までの廃タイヤも、手動運転モードにより小片状に切断処理できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 今後、産業廃棄物中間処理施設等において実用化する予定である。
- 別途開発中の芯金分離装置との併用により、芯金を鉄としてリサイクル可能である。
- 環状のクローラを本装置に供給する際は、エンジンカッター等により予めクローラを帯状に口開けしておく必要がある。
- 芯金と芯金の中間位置を直線的に切断するため、芯金配列が千鳥状をした建機用ゴムクローラには適用できない。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
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