実態調査に基づいた自脱型コンバインの必要経費の推計

タイトル 実態調査に基づいた自脱型コンバインの必要経費の推計
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究期間 2004~2007
研究担当者 大西正洋
藤井幸人
発行年度 2007
要約  実態調査に基づき自脱型コンバインの必要経費を推計した結果である。新品で購入後、2年に1回の割合で点検整備を行い10年間使用した場合、各刈取条数ともに購入価格を含む総経費は購入価格の約1.7倍となる。
キーワード 自脱型コンバイン、コスト、燃料費、点検整備費、事故修理費
背景・ねらい  農業機械のライフサイクルからみたコスト低減を総合的に推進していくためには、必要経費の実態とその変動要因の把握が重要である。そこで、自脱型コンバインを対象にして、一律な固定費率に基づく試算に代わり、機械本体の価格や農業者の使用実態、整備・修理経費等の実態調査を行うことにより、そのコスト形成に関与する要因を把握するとともに総合的な必要経費の推計を行う。
成果の内容・特徴
  1. 「農機価格ガイド18年版(農機産業調査研究所)」、農業者を対象にしたアンケート調査、点検整備データ、共済事故データ等から、購入価格、燃料費、点検整備費、事故修理費、廃棄費の実態を調査した結果およびそれぞれの平均値等から自脱型コンバインの必要経費を推計した結果である。
  2. 新品で自脱型コンバインを購入後、2年に1回業者での点検整備を行い、アンケート調査による各刈取条数の平均作業面積および作業時間で10年間使用するという前提で必要経費の試算を行うと(表1)、各刈取条数ともに購入価格を含む総経費は購入価格の約1.7倍である(表2)。
  3. 自脱型コンバインの面積当たりの燃料消費量は平均で軽油45L/haである(図1)。10年間使用した場合、総経費に占める燃料費の割合は2~6%であり、刈取条数が大きくなるに従って大きくなる。
  4. 本体購入価格に対する点検整備費の割合は、刈取条数が大きくなるにしたがって小さくなる。また、点検整備費に占める部品代は各刈取条数とも4割程度であり、点検整備費への影響が大きい交換部品は「Vベルト」、「排ワラ切断刃」、「刈刃」等である(表3)。
  5. 自脱型コンバインで頻度の多い事故は「接触事故」、「旋回の過負荷によるクローラ断裂」等であり、損害額の大きい事故は「転落」、「転倒」等である。
  6. 自脱型コンバインの更新時に、8割の農業者は機械の処理を農機販売店に依頼し、その中の5割は下取り、4割は無料で引き取ってもらっており、有料で引き取ってもらっている農業者は1割未満である。
成果の活用面・留意点
  1. 農業機械の適正導入指針のための基礎資料として活用できる。また、農業者が自脱型コンバインを導入する時に、経営計画策定の参考資料として活用できる。
  2. 低コスト機械開発のための基礎資料として活用できる。
  3. 必要経費の推計結果は実態調査の平均値を用いた目安を示すものである。
図表1 211649-1.gif
図表2 211649-2.gif
図表3 211649-3.gif
カテゴリ 機械開発 経営管理 コスト 低コスト

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