タイトル | 大規模畑作地帯における定期・定量野菜出荷システムの特質 |
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担当機関 | 北海道農業試験場 |
研究期間 | 1997~1997 |
研究担当者 |
徳田博美 |
発行年度 | 1997 |
要約 | 近年の大規模畑作地帯における野菜生産の発展を支える農協の産地システムの特質は、生産、出荷を通じた定期・定量化にある。それは、①生産資材の一元供給と全量集荷、②生産者ごとの裁培時期・面積の調整、③大型集出荷施設の整備、④販売金額の長期プール式精算というシステムの下での計画的分荷により実現されている。北海道農業試験場・畑作研究センター・流通システム研究チーム[連絡先] 0155-62-9281 |
背景・ねらい | 大規模畑作地帯において、近年野菜生産が急増しているが、それには農協による野菜産地システムの形成が大きな役割を果たしている。そこで、野菜生産の発展をもたらした野菜産地システムの特質を解明し、今後の野菜振興に有効な情報を提供する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 大規模畑作地帯の野菜生産・出荷の基本的戦略は、生産から出荷を通じた定期・定量化にある。定期・定量化を図ることで、①現在の市場構造に適応した出荷を行うことによる市場競争力の強化、②輸送手段の安定した確保と輸送の効率化、③調製処理の効率化と外部化、を実現している。 2. 生産、出荷を通じた定期・定量化は、以下のようにして実現 している(図1)、 (表1), (表2)。 ①全量集荷を前提として種苗などの生産資材供給を一元化することで、品質の向上・ 均質化をはかるとともに、裁培面積の把握・管理を可能としている。 ②貯蔵性のない品目(だいこん、キャベツなど)では、生産者ごとの裁培時期・面積の 調整をはかることで、収穫量の平準化をはかっている。 ③貯蔵性のある品目(ながいも、ごぼう)では、大型貯蔵施設を装備し、長期間の計画 的な調製処理、出荷を可能としている。 ④大型機械選別施設を装備し、生産者の出荷調製作業の負担を軽減するとともに、大量の生産物の迅速処理を実現している。 ⑤安定した供給体制の下で、市場ごとの出荷日を原則として曜日別に固定し(表3)、出荷ロットを輸送手段の積載容量を1単位とし、市場ごとの出荷数量は原則としてその倍数に固定するという方式で、徹底した分荷の計画化をはかり、取引の安定化と輸送の効率化を実現している。 ⑥マーケティング機能を農協が一元的に担うために、出荷時期の違いによる生産者間の収益の不公平を生じさせない販売金額の長期プール式精算を行っている。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本成果は、遠隔地であるために、出荷コストが大きく、畑作物と複合した野菜生産であるために、作業競合により時期別生産量の変動を招きやすい大規模畑作地帯に対応した産地システムであり、他の地域で適用する場合には、その地域の条件を考慮する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | キャベツ コスト ごぼう 出荷調整 だいこん 輸送 |