タイトル | てんさい新親品種候補系統「NK−212BR」 |
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担当機関 | 北海道農業試験場 |
研究期間 | 1978~1998 |
研究担当者 |
田中征勝 川勝正夫 蔵之内利和 大潟直樹 野々村睦子 |
発行年度 | 1997 |
要約 | てんさい「NK-212BR」は、二倍体・多胚の花粉親系統で、高糖性、抽苔耐性が強く、てんさいそう根病抵抗性雄性不稔系統との組合せ能力が高い。本系統を花粉親として育成した新品種候補系統「北海70号」は、「モノホマレ」並の収量性で、てんさいそう根病抵抗性、抽苔耐性に優れた特性を示し、褐斑病に対しても耐性がある。北海道農業試験場・畑作研究センター・てん菜育種研究室[連絡先] 0155-62-9271 |
背景・ねらい | てんさいそう根病(以下そう根病と略す)は、ポリミキサ菌により媒介される土壌伝染性のウイルス病で、防除が困難であるとともに、根重と根中糖分を著しく低下させるため生産現場で大きな問題となっている。現在、普及しているそう根病抵抗性品種は生産性が低いことから、健全畑並の収量性とそう根病抵抗性を併せ持った品種の早期開発が強く要望されている。 北海道農試は、ドイツのクラインワンツレーベン種子会社と、てんさい優良品種の早期育成を目的に国際共同研究を平成4年に開始したが、上記背景から、ドイツのそう根病抵抗性育種素材と組合せ能力の高い日本の高糖・高品質、多収性花粉親系統を育成している。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本系統は、てんさい新品種候補系統「北海70号」の花粉親として、そう根病抵抗性を有する雄性不稔種子親系統との組合せ能力が高い。 2. てんさい優良一代雑種品種育成のための花粉親系統「NK-212BR」を育成した。 3. 「NK-212BR」は二倍体多胚の花粉親系統で、病害抵抗性を有する雄性不稔系統との組合せ能力が高い。 4. 根重、根中糖分、糖量はともに「NK-152」並かやや劣る。 5. 褐班病抵抗性、根腐病抵抗性は「NK-152」並でそれぞれやや弱、弱である。 6. 抽苔耐性は「NK-152」より強い。 7. 採種関連形質は「NK-152」並でである。 (表2) |
成果の活用面・留意点 | 1. てんさい新品種候補系統「北海70号」の採種用花粉親及びその他優良一代雑種品種育成のための花粉親として使用する。 2. 採種栽培は、一般栽培品種の栽培法に準ずるが、母根養成、採種に当たっては褐斑病、じゃのめ病の防除を徹底する必要がある。 |
カテゴリ | 病害虫 育種 新品種 多収性 抵抗性 抵抗性品種 てんさい 根腐病 病害抵抗性 品種 防除 |