北海道におけるコナガの殺虫剤感受性の現状と有効薬剤

タイトル 北海道におけるコナガの殺虫剤感受性の現状と有効薬剤
担当機関 北海道立道南農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者 水越 亨
発行年度 1997
要約 コナガの、クロルフルアズロン及びフェンバレレート・マラソンに対する殺虫剤感受性は大きく低下している地域が多い。BTに対する感受性は各地とも高い。現在における有効なコナガ防除剤は、BT剤及びIGR系のフルフェノクスロンである。
背景・ねらい コナガの殺虫剤に対する抵抗性の発達によって、本州南部から九州ではす
でに有効な防除薬剤が不足する状況となっている。そこで、北海道におけるコナガの殺虫剤
感受性の現状を把握し、有効な殺虫剤を探索することで、今後の防除対策確立のための資料
とする。
成果の内容・特徴
  1. 室内検定で、BT剤のほか、異なる系統の殺虫剤について感受性検定を行った結
    果、 BT剤はLC50値が1.3~5.2ppmの範囲にあり、感受性は高い(表1)。
    圃場試験では、BT剤は生菌剤に比較して死菌剤の防除効果が高い。
  2. エマメクチン安息香酸塩の感受性は高く、アセタミプリドも実用濃度で感受性は高
    い。 チオシクラムは室内検定でLC50値が約32ppmと高いが、圃場試験での防除効果は
    低い。 クロルフルアズロンは圃場試験では防除効果がやや認められるが、室内検定で
    はLC50 値が650ppmで、感受性の低下が認められる。フェンバレレート・マラソンは
    実用濃度 での感受性は低く、圃場試験でも防除効果は低い。
  3. BT死滅菌剤に対する感受性の地域性では、各地とも感受性が高い。クロルフルア
    ズ ロン及びフェンバレレート・マラソンに対する感受性は、道南、後志、胆振、上川
    な どで大きく低下している(図1)。
  4. BT死滅菌剤は薬液の散布量を増加しても殺虫効果に違いはなかったが、クロルフ
    ェ ナピルでは散布量の増加によって殺虫効果が高まった。クロルフェナピルは十分量
    を 散布することが必要である。
  5. IGR系に対する感受性は薬剤によって異なり、クロルフルアズロン及びテフルベ
    ンズロンでは感受性が大きく低下しているが、フルフェノクスロンに対する感受性は
    高い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 殺虫剤感受性検定結果はアブラナ科野菜のコナガの防除対策に活用する。
図表1 211911-1.gif
図表2 211911-2.gif
図表3 211911-3.gif
カテゴリ 病害虫 あぶらな 生菌剤 抵抗性 防除 薬剤

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