タイトル |
いちご「きたえくぼ」の収量、品質向上対策 |
担当機関 |
北海道立道南農業試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1998 |
要約 |
いちご「きたえくぼ」で定植が遅れた場合は、トンネルやべたがけによる秋保温が花房数の増加に有効である。花房数を5~6本または花数を70花程度に整理する摘房や摘花は、一果重や糖度を増加させ、エアーキャップシートの使用で果皮の色むらが少なくなる。
|
背景・ねらい |
「きたえくぼ」は市場の評価や作付けに対する期待が高く、収量、品質の向上対策が求められている。本試験では「きたえくぼ」における秋保温や摘房、摘花の効果を検討するとともに、着色改善について調査する。
|
成果の内容・特徴 |
- トンネルやべたがけによる秋保温で花房数が増し、増収となる(表1)が、定植時期が遅れると明らかに減収となり、秋保温によっても収量を回復することはできない(表2)。
- 摘花や摘房により平均1果重は重くなるため、収穫果数が減少する割りには収穫重量の減少は少なく、糖度も無処理より高まる傾向がある(表3)。
- 花房数と1花房当たりの果数には負の相関が認められる(r=0.738**、p<0.01、n=52)。それによれば、「きたえくぼ」の最適花房数5~6本に対応する花数は70~74となる。
- 摘房、摘花を必要とする場合の目安は、1株当たりの花房数が7本以上、果数で80花以上の時と推察され、その場合、花房数を5~6本、花数を70花程度に整理する。
- 花房出しによって、軽度の先白果が減る傾向がある(表4)。
- エアーキャップシートの使用で果実下面の着色がよくなり、果実全体の着色むらが小さくなる(表4)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 「きたえくぼ」の栽培をする場合の資料とする。
- トンネルによる秋保温では、9~10月の好天時には高温障害の心配があるため適切な換気が必要である。
- トンネルによる秋保温では、9~10月の好天時には高温障害の心配があるため適切な換気が必要である。
[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分] 課題名:いちご「きたえくぼ」における収量、品質の向上対策と輸送性(指導参考)
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
いちご
高温対策
栽培技術
輸送
|