タイトル |
良質粗飼料利用による高泌乳牛の飼料自給率の向上 |
担当機関 |
北海道農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
チモシー・アカクローバ混播サイレージは、チモシー単播サイレージよりも、TDN、CP含量が高く、泌乳最盛期の高泌乳牛の粗飼料摂取量が多い。また、トウモロコシサイレージを利用すると、自給粗飼料からのTDN摂取割合が向上する。
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背景・ねらい |
乳牛の高泌乳化が進んでいるが、生涯生産性、乳生産コストの低減および飼料自給率改善の上から、高泌乳時に給与する自給飼料の高品質化が求められている。しかし、自給粗飼料の品質が泌乳最盛期における高泌乳牛の乳生産に及ぼす影響はあまり検討されていない。そこで、マメ科草混播牧草サイレージとトウモロコシサイレージを用い、自給粗飼料の品質が高泌乳牛の泌乳最盛期における乳生産に及ぼす影響を検討し、良質自給粗飼料利用による高泌乳牛の飼料自給率の改善効果を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- アカクローバを3割混播することにより、同一ステージのチモシー単播サイレージよりもTDNが5%、CP含量が4%向上した(表1)。黄熟期刈りのトウモロコシサイレージは、TDN含量が牧草(混播)サイレージより3%高く、CP含量は5%低かった(表1)。
- 混播サイレージの摂取量は単播サイレージより2.6kg多く、濃厚飼料給与量が2.2kg少なく、粗濃比で10%の差が認められた(表2)。トウモロコシサイレージの利用によって粗飼料摂取量は高まるが、飽食と制限の両区では、粗飼料摂取量、濃厚飼料摂取量および粗濃比とも変わらなかった(表2、表3)。
- 養分摂取量に占める自給粗飼料の割合を見ると、単播サイレージ給与時が、TDNおよびCPとも最も低く、混播サイレージ給与によって、摂取割合が大きく高まる。特に、CPの割合が顕著に高くなる。トウモロコシサイレージ利用ではTDN摂取割合が高く、飽食区は制限区より、CPの摂取割合が低下した(図1)。
- 混播サイレージを採食した乳牛の産乳量は、単播サイレージよりも若干高く、トウモロコシサイレージの飽食では、制限給与に比べ若干低い。しかし、濃厚飼料の適正な給与を行ったこともあり、乳成分に粗飼料源による差は認められなかった(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 高泌乳牛飼養における自給粗飼料の高品質化を図る上で有効な情報である。
- トウモロコシは黄熟期、牧草は出穂期前半に収穫する。
- 泌乳最盛期におけるトウモロコシサイレージ飽食時は、乾草1kg以上を併給し、ミネラルの摂取量が不足しないように留意すること。
[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分] 課題名:良質粗飼料利用による高泌乳牛の飼料自給率の向上(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
コスト
とうもろこし
トウモロコシサイレージ
乳牛
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