タイトル |
制限哺乳と早期離乳を利用した和牛子牛の育成技術 |
担当機関 |
北海道立新得畜産試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
子牛を3カ月齢程度の早期離乳して育成しても飼料摂取が十分であれば良好な発育が得られる。また、制限哺乳は幼齢期からの固形飼料摂取を促す効果がある。制限哺乳しても離乳後の発育に負の影響はない。
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背景・ねらい |
肉用牛では、公共牧場などを利用して子牛生産の低コストを図る必要がある。しかし放牧を利用した子牛生産では、母牛への追従や固形飼料への馴致不足などの問題も指摘されている。そこで、幼齢期から固形飼料摂取に馴致し、消化管の発達を促す目的で子牛に対する制限哺乳および早期離乳(3カ月齢)の効果を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 早期離乳した子牛を放牧で育成しても良好な発育が得られた(図1)が、ルーメン内NH3-N濃度が対照区より高く推移し、タンパクの過剰摂取が危惧された。
- 2週齢から離乳(3カ月齢)まで1日1回の制限哺乳にした子牛の発育を表1に示した。母子放牧した対照区と比較して、離乳体重および日増体量ともに差はみられなかった。しかし、離乳体重と日増体量の標準偏差は制限哺乳区で小さくなる傾向にあり、発育のバラツキが小さくなることが示唆された。
- 制限哺乳区の方が離乳前の腹囲/胸囲比が大きく推移する傾向にあり、幼齢期からの固形飼料摂取を促すと考えられた(図2)。制限哺乳は早期離乳する場合の固形飼料への馴致として効果的な技術と結論される。制限哺乳期間の摂食行動などから考えて、馴致には離乳前3~4週間を制限哺乳にすれば十分と考えられる。離乳後の発育にも処理間差はなかった。
- 制限哺乳区の方が離乳前の腹囲/胸囲比が大きく推移する傾向にあり、幼齢期からの固形飼料摂取を促すと考えられた(図2)。制限哺乳は早期離乳する場合の固形飼料への馴致として効果的な技術と結論される。制限哺乳期間の摂食行動などから考えて、馴致には離乳前3~4週間を制限哺乳にすれば十分と考えられる。離乳後の発育にも処理間差はなかった。
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成果の活用面・留意点 |
- 子牛を放牧する場合、給与する補助飼料に育成用配合飼料を用いるとタンパクが過剰になるため、エネルギー補給に重点をおいた飼料を選択すべきである。補助飼料のCP含量については放牧草の季節変動なども考慮し今後検討する必要がある。
- 子牛を放牧する場合、給与する補助飼料に育成用配合飼料を用いるとタンパクが過剰になるため、エネルギー補給に重点をおいた飼料を選択すべきである。補助飼料のCP含量については放牧草の季節変動なども考慮し今後検討する必要がある。
[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名および区分] 課題名:公共牧場における制限哺乳および早期離乳を利用した黒毛和種子牛の育成技術(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
季節変動
低コスト
肉牛
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