タイトル |
越冬性に優れるメドウフェスク新品種系統「北海12号」 |
担当機関 |
北海道農業試験場 |
研究期間 |
1998~2008 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
メドウフェスク「北海12号」は早生に属し、越冬性、混播適性、収量性及び耐倒伏性に優れる系統で、北海道全域及び本州中部以北の高冷地に適応し、採草及び放牧に利用できる。
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背景・ねらい |
現在、メドウフェスクは道東を主体に放牧用草種として期待され、高度耐冬性品種が求められている。そこで、越冬性、混播適性、収量性の改良を主な目標に、寒地・寒冷地向き品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 8栄養系の組合せによる合成品種法で育成した。これら8栄養系の来歴は日高エコタイプ、Leto、Salten、Tammistoからそれぞれ1ずつ、Borisから4つである。
- 越冬性及び早春草勢はトモサカエより優れる(表1)。
- 雪腐大粒菌核病抵抗性はトモサカエ並みで「中」、耐寒性はトモサカエ並みで「やや強」、耐凍性はトモサカエより優れ、耐雪性は「極強」でトモサカエより優れる(表1)。
- 少回刈の収量性は、道東及び本州中部以北の高冷地でトモサカエより多収で、全場所平均でやや多収である(表2)。
- 多回刈の収量性は道央地域でトモサカエより多収で、道東地域で同程度で、総合的にみて多回刈適性に優れる(表3)。
- トモサカエよりも適正なシロクローバ率を維持し、混播適性に優れる(表1)。
- 放牧前草量はトモサカエよりやや少ない。採食程度はトモサカエと同程度である。4年目晩秋におけるメドウフェスクの被度はトモサカエより高く、シロクローバおよび雑草の侵入割合は低い。総合的にみて放牧適性は同程度である(表1)。
- 永続性はトモサカエと同程度である(表1)。
- 出穂期はトモサカエより2日遅い早生に属する(表1)。
- 耐倒伏性はトモサカエよりやや強い(表1)。
- 耐倒伏性はトモサカエよりやや強い(表1)。
- エンドファイト感染率は74%と高いが、家畜毒性に係わるエルゴバリン、ロリトレムBは検出限界以下である(表1)。
- 飼料成分(CP、ADF、NDF含有率)はトモサカエと同程度である(表1)。
- 採種性はトモサカエよりやや劣る(表1)
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象地域は北海道全域および本州中部以北の高冷地。普及見込み面積は5,000ha。将来的にはトモサカエに置き換える。
- 採草及び放牧に利用できる。道東の冬枯れの著しい所では、秋季の強度な放牧はさける。
[平成10年度北海道農業試験会議における課題名及び区分] 課題名:メドウフェスク新品種候補系統「北海12号」(普及奨励)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
寒地
雑草
新品種
耐寒性
抵抗性
品種
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