タイトル |
寒冷しゃを利用した小球根類の省力掘上げ法 |
担当機関 |
北海道農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
篠田浩一
村田奈芳
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発行年度 |
2000 |
要約 |
アリウム等の小球根類の定植時に球根の上下に寒冷しゃを敷くことにより、掘残し球がなくなるとともに、掘上げ時間が1/4~1/6程度と大幅に短縮する。
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背景・ねらい |
アリウム等の小球根類は、球径が1~2cmと小型で、さらに1~数mmの仔球を多数形成するため、球根の掘上げに時間を要するとともに、掘残しが生じやすいことから、寒冷しゃ等ネット資材を用いた簡便で掘残しのない省力掘上げ法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 方法:植付け深に畝を掘り(深さ5~8cm、幅60~100cm)、寒冷しゃを敷いた後球根を並べ、さらに上部に寒冷しゃをかぶせて覆土する。球根掘上げ時は、覆土を取り除き寒冷しゃを持ち上げることで、寒冷しゃに挟まれた球根を一気に収穫することができる。
- 掘上げ時間:慣行法では小球種ほど掘上げに時間を要するのに対し、寒冷しゃを用いた場合の掘上げ時間は球種に関係なくほぼ同一で、慣行法の1/4~1/6に短縮する(図1)。
- 掘残し球の発生状況:ネット資材の種類によってはネットの上下に新球が形成されるが、寒冷しゃ(T600)ではネット外部での球根形成は見られない(表1)。
- 球根収量:掘上げ球数は慣行法とほぼ同一であるが、球肥大が若干抑制され掘上げ球重は慣行法より5~15%減少する(図2)。
- その他:少量の球根の増殖には、タマネギネットが利用できる。また、切り花採花時には花茎を引き抜くと茎盤部で花茎が切れるため、ハサミが不要であり、採花時間が短縮できるとともに、ウィルスの伝染を防止できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 小球根類の省力掘上げ技術として利用できる。
- ドロッパーや匍匐枝を発生する種類は、ネット外に新球が形成されることがある。
平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分 課題名:寒冷しゃを利用した小球根類の省力掘上げ法(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
アリウム
栽培技術
たまねぎ
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