ニセアカシア・レクチン遺伝子の単離と発現様式の解明

タイトル ニセアカシア・レクチン遺伝子の単離と発現様式の解明
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 吉田 和正
西口 満
田崎 清
発行年度 1997
背景・ねらい マメ科の落葉樹であるニセアカシアの内樹皮には、特定の種類の糖とのみ結合する性質を持つタンパク質であるレクチンが存在する。内樹皮レクチンは秋から早春にかけて、柔細胞に限って蓄積するという特徴を持っているが、そのレクチン遺伝子の発現(遺伝子からmRNA(メッセンジャーRNA)、さらにタンパク質が作られること)がどのように調節されているかは明らかでない。そこでレクチン遺伝子の発現調節機構を明らかにし、遺伝子導入による形質転換植物の作出におけるレクチン遺伝子の利用法を開発するため、レクチン遺伝子の単離・塩基配列の決定及び発現様式の解析を行った。
成果の内容・特徴 遺伝子を単離し機能を解析する上で、その遺伝子が細胞の中にいくつ存在するかを知ることが必要である。ニセアカシアに存在するレクチン遺伝子の数を調べたところ、複数個あり遺伝子ファミリーを形成していることが分かった(図1)。

次に、ニセアカシアから4種類のレクチン遺伝子(Rplec2Rplec5Rplec6、LECRPA4と命名)を単離し塩基配列を決定した。その結果、Rplec2は内樹皮レクチン遺伝子であり、その他の三つはこれまでに報告されていない新しいレクチン遺伝子であることが明らかになった。これらのレクチン遺伝子の発現の特徴を知るため、どの器官でレクチンのmRNAが見られるかを調べたところ、Rplec2では主に内樹皮で、Rplec5では内樹皮、種子、根で、LECRPA4では内樹皮と葉でmRNAが認められたが、Rplec6のmRNAはどの器官からも検出されなかった(図2)。このことから4種のレクチン遺伝子が働く場所には違いがあることが分かった。

遺伝子が特定の器官で発現するように制御される仕組みには、遺伝子のプロモーター(発現調節領域)の塩基配列が深くかかわっている。Rplec2のプロモーターが遺伝子を内樹皮だけで発現させるかどうかを確かめるために、Rplec2のプロモーター(約820bpの長さ)にレポーター遺伝子(どこでどれくらい発現しているかを簡単に調べることのできる目印の遺伝子)をつないだ遺伝子を実験植物であるタバコに導入した。遺伝子導入したタバコにおけるレポーター遺伝子の発現パターンを調べたところ、内樹皮に相当する茎の内部師部、外部師部及び外部師部周辺の柔細胞だけで発現していた。(図3)。内樹皮レクチン遺伝子のプロモーターは草本植物であるタバコにおいても、師部に特異的な遺伝子の発現を引き起こすことが分かり、形質転換植物を作出する際に、師部特異的なプロモーターとして利用できる可能性が示された。
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図表2 212456-2.gif
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カテゴリ たばこ

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