タイトル | 空気膜構造による太陽エネルギー利用省エネハウス |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 花き研究所 |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
牛尾亜由子 島地英夫 道園美弦 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 3枚の透明なプラスチックフィルムを積層してハウスの被覆資材として用い、空気膜構造の下層2枚の隙間は薄膜流水によって太陽熱の集熱あるいは夜間の放熱を行う熱交換器として機能し、省エネルギー効果の高い太陽エネルギーの利用技術を開発した。 |
キーワード | 空気膜構造,省エネ,太陽エネルギー |
背景・ねらい | 花きや果菜類の施設栽培では、冬季においては投入エネルギーの80%が暖房エネルギーとして使用されている。暖房のための石油使用量節減は、二酸化炭素発生削減のために、さらに、ランニングコスト低減の経営的な面からも重要な課題である。そこで太陽エネルギーを利用して石油使用量を抑えた暖房システムを開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 開発した太陽エネルギー利用ハウスは、空気膜構造の3枚のプラスチックフィルム(フッ素フィルム)から構成される。太陽エネルギーの集熱は流水を介して行い、集めた熱は埋設したポリエチレンパイプによって地中蓄熱し、夜間にはこれを再循環させて放熱する(図1)。 2. 太陽エネルギーの集熱量は、日射強度(図2)と、ハウス内温度と流水の温度差によって決定され(図3)、湿度が高い(露点温度が流水温度より高い)場合には、膜面結露の潜熱(凝結熱)によって集熱は促進される。 3. 高い集熱効率は、室内温度が高いか、流水温度が低い時に実現する。前者は換気温度に制限を受ける。後者については十分な蓄熱容量を必要とし、これが小さいとすぐに水温が上昇して蓄熱効率が低下する。 4. 従来型のハウスに比べて省エネルギー効果が認められ、暖房負荷を図4に示すように減らすことが出来る。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 太陽エネルギーという不安定な熱源を利用しているために、補助暖房の利用を前提としている。 2. 空気膜ハウスは断熱性が高く温度上昇しやすいために、夏季の高温対策を考慮したハウス設計が必要である。 3. 流水温度が低いとき膜面結露が避けられないので、流滴性資材仕様等の対策が必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 経営管理 高温対策 施設栽培 省エネ・低コスト化 低コスト |