青色で芳香性を有するアリウム新品種「アリウム札幌1号」、「同2号」(仮称)

タイトル 青色で芳香性を有するアリウム新品種「アリウム札幌1号」、「同2号」(仮称)
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 1997~2004
研究担当者 篠田浩一
村田奈芳
発行年度 2004
要約 種間交雑により育成した「アリウム札幌1号」、「アリウム札幌2号」は、それぞれ濃青色、淡青色の花色で、ともにバニラエッセンスに似た甘い香りを有する。小球開花性があり、球根の増殖も容易である。
キーワード アリウム、種間雑種、青色、芳香性、小球開花性
背景・ねらい アリウム類は新規花きとして切り花需要が増加しているが、いずれも野生種からの選抜系であるため、種による花色の片寄りや芳香がないなどの問題があり、種間交雑による新形質の付与が要望されている。そこで、小球開花性や芳香性に優れた遺伝資源を選抜し、それらを供試して新しいタイプの品種の育成を図る。
成果の内容・特徴 1.
ジーンバンク事業海外遺伝資源探索においてカザフスタン国の山岳地帯で収集した淡青色の野生種カエシウム(Allium caesium)を子房親とし、切り花用に栽培されている濃青花の野生種カエルレウム(A.caeruleum)を花粉親として1999年6月に種間交雑行い、胚珠培養により得られた53個体の雑種から、花色や香り等に優れた2系統を最終選抜し、「アリウム札幌1号」、「アリウム札幌2号」を付した。
2.
「アリウム札幌1号」、「アリウム札幌2号」の花色はそれぞれ濃青色、淡青色で、両親に比べ、花数が500~700個と多く、花房径も大型である(表1、図1、図2)。花粉親のカエルレウムでしばしば見られるヤグラ等奇形花の発生は2品種とも見られない。
3.
2品種ともバニラエッセンスに似た甘い香りを有する。
4.
札幌における開花期は6月中旬である。「アリウム札幌1号」は「アリウム札幌2号」より2~3日開花が早い。茎長は70~100cmと長く、茎が太いため耐倒伏性に優れる。
5.
切り花の水上げは良く、切り花にした後も蕾がほとんど開花するため、2週間以上の 観賞期間がある。
6.
0.5gといった非常に小さな球根でも開花し、2g以上球で切り花品質は高まる。また仔球を10~20個形成し、1作で開花球になるため、球根の増殖も容易である。
成果の活用面・留意点 1.
切り花用、花壇用のいずれにも利用できる。
2.
耐寒性を有し、北海道での露地栽培が可能である。
3.
暖地での栽培適性については未検討である。
4.
種苗登録申請を行い、民間種苗会社への許諾により普及を図る。
図表1 212811-1.jpg
図表2 212811-2.jpg
図表3 212811-3.gif
カテゴリ アリウム 遺伝資源 新品種 耐寒性 バニラ 品種

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