タイトル | 循環式ロックウール栽培における養分吸収量のリアルタイム計測手法の開発 | |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 花き研究所 | |
研究期間 | 2001~2005 | |
研究担当者 |
牛尾亜由子 島地英夫 道園美弦 |
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発行年度 | 2005 | |
要約 | 少量頻繁の給液を行う循環式養液栽培において、給液にタイミングを合わせて、給液量とそのEC、及び、排液量とそのECを計測することによって養分吸収量をリアルタイムに計測できる手法を開発した。 | |
キーワード | 循環式養液栽培、養分吸収、リアルタイム計測 | |
背景・ねらい | 養液栽培において普及している培養液かけ流し式栽培法は肥料残分を系外に排出することから、環境への負荷が危惧されている。養液栽培では培養液濃度を制御する方法が多く行われている。別な方式として、量的施用法があり、これは植物の1日の成長に応じた量を供給するという考え方で、一日一定量の肥料を与えて、吸収量の調節を行う方法で、無駄な施肥を避けるとともに作物の生育制御も可能である。量的施用法の開発のためには、逐次肥料吸収量をモニタリングできる手法を開発する必要がある。 | |
成果の内容・特徴 | 1. 栽培システムは図1に示すように、1回給液量の2倍程度の容量を持っ養液タンク、点滴式の給液装置、連通管方式の排液管、ポンプ、給液と排液の2個のECセンサー、ロードセルを用いた水位計測装置からなる。 2. 少量頻繁な給液制御、すなわち、一定水位までの養液補給と直後の給液制御のシーケンシャルな制御にタイミングを合わせて、養液タンクの水位変化を読みとり、その変化速度から給液流量と排液流量を計測する。(図2,3)。 3. 養液タンク内に設置したセンサーは給液EC、排水の流路に設置したセンサーは排液ECとして、それぞれ計測する。 | 4. 肥料濃度の指標である給液と排液のEC(電気伝導度)と給液流量と排液流量をそれぞれ乗じれば、その差が肥料の吸収指標となる。 吸収指標=(給液EC×給液流量L/h)-(排液EC×排液流量L/h) 5. 一定濃度の給液が一定量に達すると、後は水を給液する日定量施用法による計測結果例を図4に示す。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本システムの給液制御にはシーケンサ、あるいは、コンピュータ制御が必要である。 2. 給液方法は、排液量を計測する手段を用いた自動給液方法(特許36609886号)と組み合わせることによって、給液管理と給肥管理ができる。 3. 排液量は連通管方式で応答が速いが、EC値は遅れが生じる。厳密性を求める場合は補正の演算をする必要がある。 | |
図表1 | ![]() |
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図表2 | ![]() |
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図表3 | ![]() |
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図表4 | ![]() |
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カテゴリ | 肥料 施肥 モニタリング 養液栽培 |