交雑によるエチレン低感受性カーネーション系統の作出とそのエチレン反応性

タイトル 交雑によるエチレン低感受性カーネーション系統の作出とそのエチレン反応性
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究期間 1999~2007
研究担当者 柴田道夫
小野崎 隆
八木雅史
発行年度 2007
要約  系統64-54やその親、兄弟系統を交雑に利用することにより、外生エチレンによる花弁の萎凋が生じにくいエチレン低感受性カーネーション系統が作出可能である。エチレン低感受性系統には、自己触媒的エチレン生成に関して大きな違いがみられる。
キーワード カーネーション、花持ち、エチレン感受性、自己触媒的エチレン生成
背景・ねらい
 外生エチレンの影響を受けにくいカーネーション品種として「キネラ」が報告されているが、交雑育種によるエチレン低感受性カーネーションの作出方法は明らかでない。花き研では、花持ち性の育種において「キネラ」よりさらにエチレン低感受性の系統64-54を選抜している。また、ビデオシステムを用いた間欠画像撮影によるエチレン感受性簡易検定法を開発し、詳細な感受性の違いを判別可能である。そこで、系統64-54やその親、兄弟系統を材料にエチレン低感受性を目標とした交配を行い、感受性簡易検定法を利用して、エチレンに極低感受性の系統を作出する。さらに、得られた低感受性系統のエチレン処理に対する反応性を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.系統64-54やその親、兄弟系統を交配に用いて、エチレン感受性簡易検定法による選抜を行うことにより、エチレン低感受性系統が作出可能である(図1)。
2.系統64-54に加え、新たに選抜した6系統は外生エチレン処理による花弁の萎凋が生じにくい(表1)。特に、系統902-48a、234-43S、234-36Sのエチレン感受性は低い(表1、図3)。
3.選抜されたエチレン低感受性系統の花持ち日数は、7.6~11.3日であり、対照品種「ホワイトシム」の1.4~2.1倍の花持ち性を示す(表1)。
4.エチレン低感受性の7系統中5系統では、エチレン処理後外見上は花弁の萎凋を生じないが、多量のエチレン生成が誘導されている。一方、系統118-64S、120-69Sは、エチレン処理による花弁の萎凋が生じにくいだけではなく、自己触媒的エチレン生成量に関しても低レベルである(図2)。このように、エチレン低感受性系統には、自己触媒的エチレン生成に関して大きな違いがみられる。

成果の活用面・留意点
1.交雑育種によるエチレン低感受性カーネーション品種作出が可能となる。
図表1 212835-1.jpg
図表2 212835-2.gif
図表3 212835-3.gif
図表4 212835-4.gif
カテゴリ 育種 カーネーション 簡易検定法 品種

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