タイトル |
ニホンナシ新品種「北新」 |
担当機関 |
北海道農業試験場 |
研究期間 |
1994~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
「新世紀」に「北甘」を交雑してニホンナシ新品種「北新」を育成した。北海道の主要な果樹地帯に適する耐寒性を持ち,9月下旬~10月上旬に収穫できる早生種の晩いほうに属する品種である。果実は中玉で,外観良好な青ナシである。食味は良好で,裂果が少なく,早生種として多収である。
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背景・ねらい |
北海道では寒さが厳しく,本州のニホンナシ品種は寒害を受けやすいため,栽培が困難である。在来品種の「身不知」は耐寒性が強く,収量は多いが,品質が劣るため,年々栽培面積が減少している。北海道農業試験場ではこの「身不知」に品質の優れた本州の品種を交雑して育種を進め,品質の良い「北甘」を育成したが,裂果しやすいため,あまり普及していない。そこで,「北甘」を改良した新しい品種の育成を図った。
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成果の内容・特徴 |
- 来歴
昭和42年に「新世紀」を母とし,「北甘」を父として交雑した実生樹75個体から選抜 した。初結実は昭和49年で,同50年に品質が優れていることから注目し,同61年から地域適応性検定試験を実施した。その結果,優秀と認め,平成7年9月6日付けで「なし農林17号」として登録・公表された。
- 樹の特性
1)樹姿は開張と直立の中間で,樹勢は強い。枝の発生は密で,短果枝の着生は多い。耐寒性はやや強で「北甘」並である(表1)。 2)交雑和合性は「北甘」,「北星」,「北豊」,「身不知」,「バートレット」,「ブランディ・ワイン」で高い。収量は早生種としては多収である。
- 果実の特性
1)果実平均重は約330gで,揃いも良い。果形は扁円で,果皮は熟すと黄緑色になる。果面のさびは少で,果点は小さく,外観は良好である。裂果は「北甘」に比べて極めて少ない。果芯は「北甘」に似て小さい(表1)。 2)果肉硬度は「北甘」よりわずかに硬い(表1,3)。糖度,リンゴ酸ともに「北甘」より高く(表1,2,3),両者の調和が良い。肉質はやや密で食味は「北甘」より良好である。 3)北海道では9月下旬から10月上旬にかけて収穫でき,早生種の晩い方に属する。 「北甘」とほぼ同時期か,3日遅れ,「身不知」より約3週間早く収穫される(表1,2,3)。普通の貯蔵で約1か月,冷蔵すると12月から翌年の1月ころまで約3か月可能である(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 品揃えを豊かにするため品質の良い早生のナシを求めている北海道の観光果樹園に普及するとともに,減少しつつある「身不知」に替わる栽植が見込まれる。
- 収穫が早すぎると酸味がやや多いことがあるので,果皮色が黄緑色になってから収穫する。また,結実が多すぎると小果になりやすいので,摘果を強めにする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
育種
新品種
耐寒性
品種
良食味
りんご
ワイン
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