パインアップルの生食用新品種「ソフトタッチ」

タイトル パインアップルの生食用新品種「ソフトタッチ」
担当機関 沖縄県農業試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 パインアップル生食用新品種の「ソフトタッチ」は,高糖低酸かつ柔軟多汁で良食味,高香気性の早生品種で,パインアップル栽培地全域に適する。
背景・ねらい
農産物輸入自由化に対応して,パインアップルの生産の維持拡大を図るためには,従来の加工用果実主体の生産から収益性の高い生食用果実生産への転換を進める必要がある。現在,生食用品種として外国導入の「ボゴール」及び本来加工用品種として育成された「N67-10」を生食兼用品種として利用しており,消費拡大,収益性増大の面で多くの問題を抱えている。このため,気候風土に適し,栽培が容易で,品質優良な生食専用の新品種の早期育成が強く求められている。
成果の内容・特徴
  1. 昭和54年に熱帯農業研究センター沖縄支所(現,国際農林水産業研究センター沖縄支所)において,「ハワイ系(スムースカイエン種)」と「Ⅰ-43-880」を交雑し,昭和57年に第1次選抜が行われた。その後沖縄県農業試験場名護支場に移管,以後選抜を重ね,平成3年より「パインアップル沖縄1号」の系統名で沖縄県農業試験場名護支場と八重山支場において系統適応性検定試験を実施した。その結果,品質優良で,早生品種として極めて有望と認められ,平成8年8月21日付けで「パインアップル農林1号」として登録・公表された。
  2. 葉にトゲが少し発生するが軟らかく,既存の生食用品種でトゲの発生の多い「ボゴール」に比較して栽培が容易である。生育は比較的良好で,えい芽,吸芽の発生が多く,繁殖性も優れている。夏実は7月中旬に収穫可能な早生の品種である(表1,2)。
  3. 果実の大きさ800g前後で小さく,たる形である。果肉は乳白色で軟らかく,果肉内の空洞も少なく果汁量も多い。夏実では糖度は16%前後,酸度は0.5%前後で,高糖低酸かつパインアップル独特の香気も高く食味はよい(表3,4)。
成果の活用面・留意点
  1. 高糖低酸,良食味,高品質,早生品種としてパインアップル栽培地帯全域での普及が期待される。
  2. 植付け間もない幼苗期は芯ぐされ病に弱いので,徹底した防除が必要である。
  3. 果実病害の花樟及び黒目病に比較的弱いので開花期の尿素散布は避けるようにする。
  4. 果実が小さいので,植付け種苗は大苗を植えて草本の生育促進を図り,出蕾後の果実肥大の促進維持に努める。
図表1 212871-1.gif
図表2 212871-2.gif
図表3 212871-3.gif
図表4 212871-4.gif
カテゴリ 病害虫 加工 消費拡大 新品種 繁殖性改善 品種 防除 良食味

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