チャバネアオカメムシ越冬成虫のナシ・モモ園への飛来予測

タイトル チャバネアオカメムシ越冬成虫のナシ・モモ園への飛来予測
担当機関 果樹試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
背景・ねらい
 一般に農作物の害虫による被害を防止するには対象とする害虫の発生時期とその密度を予測し、防除対策を立てる。チャバネアオカメムシの場合飛翔能力が高く、山林で繁殖するので、密度の推定が困難であるばかりでなく、密度が果樹園への飛来と直接に関係するとは限らない。このような害虫では果樹園への飛来予測を的確に行い、各種の防除法を組み合わせて被害を回避する必要がある。
成果の内容・特徴
  1.  チャバネアオカメムシ越冬成虫は4月下旬から餌探索飛行行動をしている。5月中旬には早春に開花したサクラ・クワが結実を始めるが、この時期、これらの指標植物の実がカメムシ類の主要な餌となり、これらを食い尽くした場合に果樹園への飛来が始まる。
  2.  果樹園から500mの範囲内で毎年実のなるサクラ・クワの樹を定点として調査する。
  3.  実体顕微鏡が使える場合には、5月上旬からサクラの実を7日毎に採集し(100個)食害痕を調査する(図1)。食害痕のある実の割合が目安として80%を越すと果樹園へ飛来が起る(表1)。
  4.  食害痕が調査できない場合は、カメムシ類の加害によってサクラの実が落下する事に注目する。樹上の実が緑の間はカメムシは果樹園に来ない。色付き始めた果実の落下が多くなればサクラの実は餌として劣化したことになり、果樹園への飛来が近いので注意する。大多数の実が6月中旬に紫色になれば、その年の密度は低かったことを示しており、カメムシの果樹園への飛来の可能性は低い。
成果の活用面・留意点
  1.  チャバネアオカメムシによるナシの被害発生量は基本的には前年からの越冬成虫の量によって決まる。この方法は飛来時期の予測なので発生量については越冬成虫量の調査との併用が必要である。
  2.  西日本・九州等で植生の異なる場合には適用できない。
  3.  桑園ではカメムシが6月中旬に果実に集中するので経過を観察し、桑の実が落下すれば果樹園への飛来が起き、紫色に熟する果実が多い年は飛来しない。
図表1 212915-1.gif
図表2 212915-2.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 カメムシ さくら 繁殖性改善 防除 もも

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