ニホンナシのS遺伝子型の解析に有効なS遺伝子ホモ接合体の同定

タイトル ニホンナシのS遺伝子型の解析に有効なS遺伝子ホモ接合体の同定
担当機関 果樹試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 寺井理治
西端豊英
壽 和夫
齋藤寿広
発行年度 1997
要約 S遺伝子ホモ接合体はS遺伝子型の解析に有効であり「長十郎」の自殖から選抜した「312-9」及び「312-6」が、それぞれS2ホモ接合体及びS3ホモ接合体であることを確認した。これらの、S遺伝子ホモ接合体を用いると、S遺伝子型解析を簡便に行うことができる。
背景・ねらい
 自家不和合性遺伝子型(S遺伝子型)の解析は、偏父性不和合性に基づいた後代検定によって行われてきたが、この方法ではS遺伝子型が明らかになるまで、長年月と多くの労力が必要である。そこで、短期間にS遺伝子型解析を行う方法を検討した。
成果の内容・特徴 「長十郎」自殖個体群からSまたはSホモ接合体として選抜された「312-9」及び「312-6」の花粉をS遺伝子型既知の品種・系統に交雑し、両ホモ接合体のS遺伝子型を確認した。また、これらホモ接合体を用いて、「豊水」のようなS遺伝子型が未確定または未知品種のS遺伝子型を簡便に解析できることを実証した。
  1.  「312-9」はS遺伝子を有し、遺伝子型の異なる品種・系統とは不和合性を示し、S遺伝子を持たない品種・系統とは和合性を示したことから、S2ホモ接合体であることが確認された(表1)。
  2.  「312-6」はS遺伝子を有し、遺伝子型の異なる品種・系統とは不和合性を示し、S遺伝子を持たない品種・系統とは和合性を示したことから、S3ホモ接合体であることが確認された(表1)。
  3.  「豊水」と「312-6」(SS)の交雑では不和合性を示し(表2)、さらに、「豊水」と「長十郎」(SS)の交雑で和合性を示すことから(表3)、「豊水」はS遺伝子を1つ有することが確認された。このように1例ではあるがSホモ接合体を用いて、簡便にS遺伝子の有無が判定され、S遺伝子型分析に有効であることが明らかになった。
成果の活用面・留意点 このホモ接合体2系統に加え既に、Ssm遺伝子ホモ接合体が育成されており、今後さらにS、S、S、SなどのS遺伝子ホモ接合体シリーズの育成が完成すると、ニホンナシのS遺伝子型解析が短期間に、かつ少労力で効率よく行うことが可能となる。

図表1 212929-1.gif
図表2 212929-2.gif
図表3 212929-3.gif
カテゴリ 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる