負イオン、オゾンと冷温高湿庫によるモモ、ブドウ等果実の長期鮮度保持法

タイトル 負イオン、オゾンと冷温高湿庫によるモモ、ブドウ等果実の長期鮮度保持法
担当機関 果樹試験場
研究期間 1997~2000
研究担当者 石川(高野)祐子
村松 昇
谷村泰宏(三菱電機)
朝倉利員
田中敬一
平山大秀(三菱電機)
廣辻淳二(三菱電機)
発行年度 1997
要約 負イオン(5×104個/cm3)とオゾン(50ppb)の発生装置を設置した冷温高湿庫(0℃、RH95%)に果実を貯蔵すると、オウトウ「佐藤錦」を1か月、モモ「あかつき」を1か月、ブドウ「巨峰」を3か月、ニホンナシ「幸水」を2か月、鮮度を保ち長期貯蔵できる。
背景・ねらい
 消費者は採れたて果実のみずみずしさを求めている。果実品質は鮮度が最も大切なポイントなので、鮮度をいかに保ち高品質な果実を消費者に届けるかが流通・貯蔵の課題である。そこで、微生物による果実腐敗を防止するため、負イオンとオゾンの発生装置を設置した冷温高湿庫による果実の鮮度保持効果と高湿度条件下でのカビの発生防止について検討する。
成果の内容・特徴
  1.  負イオン(O2-等:5×104個/cm3)とオゾン(50ppb:日本の作業環境基準は100ppb以下、環境基準は光化学オキシダントとして1時間値が60ppb以下と定められている)を貯蔵庫中に発生させる装置を開発し、冷温高湿庫(幅2600×奥3600×高2200㍉)に設置して試験を行ったところ1年以上、安定して連続運転が可能であった。
  2.  庫内空気中の全細菌数と酵母・カビの菌数は、通常の冷蔵庫と比較して極めて少なく、高い制菌効果が認められる(図1,表1)。食品の殺菌に用いられてきたオゾン濃度(500ppb以上)と比較し1/10以下の低濃度でカビの発生を防止できる。長期間連続的に発生させたオゾンと負イオンとの相乗効果によるためではないかと考えられた。
  3.  本貯蔵法でオウトウ「佐藤錦」を1か月、モモ「あかつき」を1か月、ブドウ「巨峰」を3か月、ニホンナシ「幸水」を2か月、貯蔵した品質の変化は、モモの硬度を除きほとんど認められず(表2)、腐敗果も認められない。
  4.  冷温高湿庫と負イオン、オゾンを併用した貯蔵法は、果実の長期鮮度保持に有効である。
成果の活用面・留意点
 果実の収穫から貯蔵までの期間を出来るだけ短くする必要がある。また、汚染果を持ち込まないことが大切である。
図表1 212935-1.gif
図表2 212935-2.gif
図表3 212935-3.gif
カテゴリ おうとう 長期保存・貯蔵 ぶどう もも

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる