炭酸ガス施用によるカンキツ「不知火」(「デコポン」)の樹勢強化と品質向上

タイトル 炭酸ガス施用によるカンキツ「不知火」(「デコポン」)の樹勢強化と品質向上
担当機関 果樹試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者 高原利雄
緒方達志
小野祐幸
藤澤弘幸
発行年度 1998
要約 施設栽培のカンキツ「不知火」(「デコポン」)は、春季の炭酸ガス施用(1,250~2,000ppm)により新梢・新葉の生育が促進され、樹勢が強化される。同時に、着果率が高まる。また、春季に加え秋季にも炭酸ガスを施用することにより、果実品質が向上する。
背景・ねらい
カンキツ「不知火」(「デコポン」)は果実品質が優れるものの、結実開始後に発生する新梢が細く樹勢が弱りやすい特徴を持っており、安定生産のための樹勢強化技術が望まれている。また、樹勢の衰えた樹で生産される果実は酸度が高く問題となっている。そこで、「不知火」の樹の生育及び果実品質に対する炭酸ガス(CO2)施用の効果を検討した。
成果の内容・特徴
  1.  施設栽培「不知火」において、発芽から着果・結実の期間にあたる春季に CO2 を施用することにより新梢・新葉の成長が促進される(表1、2)。すなわち、節間が長くなり、新しく展開する葉は大きく厚くなる。また、新葉の緑化が早まり、生理落果が抑制され着果率・着果程度が向上する。
  2.  「不知火」の果実は、春季に加え果実生長の盛んな秋季にも CO2 施用することにより品質が向上する(表3)。すなわち、果皮色の赤みが増し、糖度が高く、酸度は低くなる。
成果の活用面・留意点
  1.  CO2 施用技術は、施設栽培「不知火」の樹勢強化に有効である。なお、加温ハウスにおいて CO2 施用する場合は、明け方に窓を閉め切って施用し、高温になる前に換気する。
  2.  春季のみの CO2 施用では、果実品質は向上しない。
  3.  本研究に用いた「不知火」は、ウィルス・ウィロイド無毒化処理を実施していない。
図表1 212961-1.gif
図表2 212961-2.gif
図表3 212961-3.gif
カテゴリ 施設栽培 施用技術 その他のかんきつ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる