カラタチにおけるとげなし性の遺伝様式

タイトル カラタチにおけるとげなし性の遺伝様式
担当機関 果樹試験場
研究期間 1990~2003
研究担当者 吉田俊雄
根角博久
発行年度 1999
要約 カラタチのとげなし性の遺伝には一対の遺伝子が関与し、劣性ホモの個体はとげなしとなる。
背景・ねらい カンキツ類の実生苗には一般にとげがあり、台木養成や芽接ぎ繁殖を行う上で支障となる。特にカラタチは大きくて鋭いとげを持つが、偶発実生として生じたとげなしタイプの変異系統も報告されている。とげなし性は栽培管理上取り扱いが容易で、有刺品種に比べて省力的であり有用な特性である。この特性の利用を図るために、とげなしカラタチの後代におけるとげなし性の分離状況及び遺伝様式について検討した。
成果の内容・特徴
  1. とげなしカラタチを含むカラタチ系統間の交雑や自殖によって得られた実生個体群について、とげの有無を発芽後約10か月の時点で調査した。そのうちの一部の個体群については有刺節率についての調査も行った。
  2. 実生個体群におけるとげの有無の分離状況(表1)から、とげなし性には一対の遺伝子が関与し、とげなし個体は劣性ホモと推定された。とげなし系統を種子親あるいは花粉親に用いた場合に分離の違いはみられず、細胞質の関与はないと考えられた。
  3. 有刺個体と判定したものの中には、とげのある節の少ない部分的なとげなし性とみなすべき個体がかなりの頻度で認められたため、有刺性はとげなし性に対して不完全優性を示すものと推察された。
成果の活用面・留意点 実験で用いたカラタチは単胚性であるが、とげなしカラタチを台木として利用するには、多胚性で樹勢の強い系統を育成する必要がある。
図表1 212981-1.gif
カテゴリ 栽培技術 台木 繁殖性改善 品種 その他のかんきつ

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