RT-PCRによるカンキツタターリーフウイルスと7種カンキツウイロイドの同時検出

タイトル RT-PCRによるカンキツタターリーフウイルスと7種カンキツウイロイドの同時検出
担当機関 果樹試験場
研究期間 1995~1999
研究担当者 伊藤隆男
家城洋之
発行年度 1999
要約 カンキツタターリーフウイルスと、カンキツエクソコーティスウイロイドなどの7種カンキツウイロイドを一回のRT-PCRで同時に検出する簡易・迅速な方法を開発した。
背景・ねらい ウイロイドは環状1本鎖RNAから成り、その簡易診断には逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法等の遺伝子診断を行う。しかし、カンキツが保毒するウイロイドは7種存在し、これらを個別に遺伝子診断することはコストや手間を要するため、同時に検出する遺伝子診断法が求められていた。また、遺伝子診断によってウイルスも検出することができるため、ウイルス・ウイロイドを同時に検出できればより簡便な診断を可能にすると考えられた。
成果の内容・特徴
  1. カンキツの葉柄部分から、抽出した全RNAを鋳型に逆転写(RT)反応によってcDNAを合成し、さらにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行った。PCRでは、カンキツタターリーフウイルス(CTLV)と、カンキツエクソコーティスウイロイド(CEVd)、カンキツウイロイド(CVd)-Ⅰ、CVd-Ⅱ、CVd-Ⅲ、CVd-Ⅳ、OSCVd(仮称)及びF10CVd(仮称)の7種カンキツウイロイドに特異的に反応する計8組のプライマー対によって増幅したPCR産物はポリアクリルアミドゲル電気泳動で分子長の異なる特異的バンドとして明瞭に区別された(図)。
  2. 本法の結果は、環状1本鎖の構造を持つウイロイド分子を特異的に検出するシークエンシャルポリアクリルアミドゲル電気泳動、個別のRT-PCR及びCTLVのエライザの結果と一致した。
  3. 本法を用いて、一般ほ場でのCTLVやカンキツウイロイドの発生調査を行ったところ、「不知火」ではCVd-Ⅰ、CVd-Ⅱ及びOSCVdの混合感染の多いことが明らかとなった。
成果の活用面・留意点
  1. 本法を用いることで、より簡便で迅速なウイルス・ウイロイド診断が可能になる。
  2. RNA抽出法をより簡便な方法に改良することで、多数の試料を一度に扱えるようになる。
図表1 212987-1.gif
カテゴリ 簡易診断 コスト その他のかんきつ

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