ナシ「ゴールド二十世紀」よりも黒斑病に高レベルの耐病性を示す突然変異系統の選抜

タイトル ナシ「ゴールド二十世紀」よりも黒斑病に高レベルの耐病性を示す突然変異系統の選抜
担当機関 (独)農業生物資源研究所
研究期間 1983~1994
研究担当者 伊藤祐司
吉岡藤治
真田哲朗
増田哲男
壽和夫
発行年度 1999
要約 「ゴールド二十世紀」へのガンマ線照射によって、ナシ黒斑病に対してより高レベル耐病性を示す突然変異体を6系統選抜した。いずれの系統も完全抵抗性ではないが、ナシ黒斑病の感染機構を解明するための重要な研究材料となる。
背景・ねらい ナシ黒斑病はアルタナリア属菌による病害で、この菌は宿主特異的毒素の一つであるAK毒素を産生し、罹病性品種に多大な被害を与える。
「二十世紀」へのガンマ線の緩照射によって得られたナシ黒斑病耐病性突然変異系統は、いずれも感受性と抵抗性の中間に位置する中位の抵抗性(耐病性)であった。そこで、これらの中から育成された「ゴールド二十世紀」にガンマ線を照射し、完全な抵抗性を有する突然変異体の誘発を図る。
成果の内容・特徴
  1. 「ゴールド二十世紀」よりも高レベルのナシ黒斑病耐病性突然変異系統を、急照射により4系統(IRB 502-20~23)、緩照射により2系統(IRB 502-24~25)の計6系統を選抜した(表1)。
  2. 精製したAK毒素を用いて葉片の黒変程度を調べたところ、いずれの系統も原品種「ゴールド二十世紀」よりは明らかに黒変反応の程度は低かったが、抵抗性品種のような無反応ではなかった。
  3. 葉片へのAK毒素処理後、電解質漏出の程度を調べたところ、いずれの系統も原品種「ゴールド二十世紀」よりは明らかに毒素反応の程度は低かったが、抵抗性品種のような無反応ではなかった(図1)。また、系統間でも反応性の差異が認められた。
  4. これら高レベル耐病性突然変異系統の、開花時期、収穫時期、1果平均重、果肉硬度、果汁糖度、果汁pHについて調査したところ、原品種と顕著な差異は認められなかった。
成果の活用面・留意点 これらの変異系統は、「ゴールド二十世紀」の耐病性変異機構を解明するための有力な材料であるとともに、従来まで得られている耐病性変異系統と併せて、ナシ黒斑病の感染機構を解明するうえで重要な材料であると考えられる。
図表1 212992-1.jpg
図表2 212992-2.gif
カテゴリ 抵抗性 抵抗性品種 品種

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