甘くて酸味のある夏向けの生食用パインアップル新品種候補「パインアップル沖縄7号」

タイトル 甘くて酸味のある夏向けの生食用パインアップル新品種候補「パインアップル沖縄7号」
担当機関 沖縄県農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 粟国佳史
井上裕嗣
金城鉄男
高原利雄
出花幸之介
大城和久
池宮秀和
仲宗根福則
比嘉ひろの
比嘉正和
発行年度 2000
要約 生食用パインアップル新品種候補「パインアップル沖縄7号」は「クリームパイン」に「 HI101 」を交雑して育成した。葉にとげがなく栽培容易で中生の系統である。草姿は立性で密植栽培が可能である。果実は糖度が高く、酸味は中程度で、肉質は軟らかくて果汁が多く、春~夏にかけて食味が良い。
背景・ねらい 現在、沖縄県では、生食用品種として、外国導入の「ボゴール」、加工・生食兼用品種の「N67 -10」及び交雑育成品種の「ソフトタッチ」、「ハニーブライト」が栽培されている。しかし、これらの品種は栽培性、品質、収量などに問題がある。従って、とげの発生がなく栽培容易、品質優良、果実が大きく収量が高いこと、周年出荷が可能であることなどを育種目標に国の助成による指定試験地として育種を進めている。
成果の内容・特徴
  1. 本系統「パインアップル沖縄7号」は、1989 年(平成元年)に「クリームパイン」に「HI101」 を交雑して育成した。1991 年(平成3年)に一次選抜(個体選抜)を行い、その後は二次~ 四次までの栄養系統選抜を行い、1998 年(平成 10 年)より第2回パインアップル系統適応性検定試験に「パインアップル沖縄7号」の系統名で供試された。平成 12 年度常緑果樹系統適応性・特性検定試験成績検討会において、生食用として優良なことからパインアップル生食用新品種候補と認められた。
  2. 葉にとげがなく栽培管理が容易である。草姿は立性で密植栽培が可能である。えい芽は春実で発生が少なく1本以下であるが、夏実では2~3本程度で適正な発生数である。吸芽は春実で1本程度、夏実で2本程度で適正な発生数である。夏実の収穫は8~9月頃で中生の系統である(表1)。
  3. 果実は円錐形で「ボゴール」、「ソフトタッチ」、「ハニーブライト」よりは大きく、1000g前後になる。果皮は黄色、果肉は白色でやや軟らかく果汁が多い。夏実においてはやや酸味があり食味が良い。春実においては糖度、酸度とも他の品種より劣るが、糖酸比は 18 以上で比較的食味が良い(表1、図1)。
成果の活用面・留意点
  1. パインアップル栽培地域の露地、ハウス栽培に適する。
  2. 吸芽は次期着果に必要な1本だけ残し、残りは早めに除去し、果実の肥大を促進するようにする。除去した吸芽は植え付け種苗に用いる。
  3. 植え付け種苗には一般的に、えい芽を用いるが、本系統のえい芽は小さいので、圃場に仮植して適正な大きさにしてから植え付け種苗として用いる。
図表1 212999-1.jpg
図表2 212999-2.jpg
カテゴリ 育種 加工 くり 栽培技術 出荷調整 新品種 品種 良食味

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