カンキツ類の自家不和合性に関与する雌ずいタンパク質

タイトル カンキツ類の自家不和合性に関与する雌ずいタンパク質
担当機関 果樹試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 松本亮司
國賀 武
発行年度 2000
要約 カンキツ類の自家不和合性品種の開花直前の雌ずいには分子量 28kDa塩基性タンパク質が特異的に発現する。このタンパク質は自家和合性品種においては認められず、リンゴ、ナシの自家不和合性に関与するSタンパク質と類似する。
背景・ねらい リンゴ、ナシの自家不和合性にはSタンパク質が大きく関わっている。このタンパク質は花粉管伸長を阻害する RNase 活性をもっており、カンキツ類についても同様なタンパク質が働いていることが考えられる。そこで、カンキツ類の自家不和合性と自家和合性両品種における開花期の雌ずいタンパク質の相違を調べ、リンゴ、ナシのSタンパク質との関連を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 自家不和合性品種(6品種)と自家和合性品種(6品種)の開花4日前と1日前の雌ずいタンパク質を抽出し、SDS - PAGE を行った。自家不和合性品種の開花1日前の雌ずいでは分子量 28kDaタンパク質が強く発現しており、この分子量はリンゴ、ナシのSタンパク質に非常に近似している(図1)。
  2. この雌ずいタンパク質を2次元電気泳動法を行って電荷を調べたところ、自家不和合性品種の開花1日前に強く発現する 28kDaタンパク質はリンゴ、ナシのSタンパク質と同様に強い塩基性を示した(図2)。
  3. ナシ、リンゴのSタンパク質と相同性の高い領域のペプチドと反応するモノクローナル抗体を作成し、自家不和合性を示すハッサクの雌ずいタンパク質と抗原抗体反応させたところ、開花1日前の 28kDa タンパク質に対応するスポットが現れた(図略)。
  4. 以上の結果からカンキツの自家不和合性品種の雌ずいには、リンゴ、ナシなどと類似したSタンパク質の存在する可能性が高い。
成果の活用面・留意点 28kDa タンパク質がカンキツのSタンパク質であることを確定するには、自家不和合性品種の雌ずいからこのタンパク質を分離・精製後、ペプチドシーケンサーによりアミノ酸配列を決定し、ナシ、リンゴなどのSタンパク質とのアミノ酸配列の比較や RNase 活性の検討、in vitro における自家の花粉管伸長阻害試験などを行う必要がある。
図表1 213014-1.jpg
図表2 213014-2.jpg
カテゴリ 自家和合性品種 はっさく 品種 りんご その他のかんきつ

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