RT-PCR によるリンゴゆず果ウイロイドの診断

タイトル RT-PCR によるリンゴゆず果ウイロイドの診断
担当機関 果樹試験場
研究期間 1995~2000
研究担当者 吉田幸二
伊藤 伝
発行年度 2001
要約 リンゴゆず果ウイロイドの全長が増幅されるプライマー組を設計し、これを用いたRT-PCRによる診断法を開発した。
キーワード リンゴゆず果ウイロイド、プライマー、RT-PCR、診断
背景・ねらい リンゴのゆず果病は接ぎ木伝染性で、果実の商品価値を著しく低下させる病害であり、apple fruit crinkle viroid(AFCVd)により引き起こされる。ほとんどの品種では果実にしか病徴を現さないため、結実するまでは感染に気づかない。本病の防除には、予めAFCVdフリーと診断した穂木や苗木を用いることが不可欠であるが、生物検定法、電気泳動法では長期間を要したり、病原の樹体内濃度が極めて低いため、検定には多量の試料を要し、1回で実施できる検体数が限られていた。そこで、より高感度な診断法の開発を試みた。
成果の内容・特徴
  1. 明らかになっているAFCVdの塩基配列をもとに診断用のプライマー組(5'-CGACGACGAGTCACCAGGTG-3'と5'-ACGAAGGGTCCTCAGCAGAG-3')を設計した。
  2. リンゴの葉柄あるいは樹皮から抽出した全RNAを鋳型にRT-PCR法によりAFCVd特異断片の増幅を行った。
  3. 果樹研究所リンゴ研究部保存のAFCVd14分離株を用いて試験を実施したところ、葉柄及び樹皮からの検出が可能であった(図1)。
  4. 数種分離株については、葉柄及び樹皮で局在性が見られた(図2)ことから、確実に診断するには樹皮を用いることが望ましいが、葉柄を用いる場合は3~5葉を用いる必要がある。
  5. 本法により2日以内に本ウイロイドの診断が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 本法を用いることでより迅速に多数の試料の診断が可能である。
  2. PCRではAmpliTaq Goldのようなホットスタート可能な酵素を用い、非特異なバンドの増幅を避ける必要がある。
図表1 213053-1.jpg
図表2 213053-2.jpg
カテゴリ 病害虫 生物検定法 接ぎ木 品種 防除 りんご

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