タイトル | 硬い土壌でも使える果樹園用局所施肥機 |
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担当機関 | 生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
奥村隆志 横田昇平 久保田太郎 金光幹雄 小川幹雄 長木司 蛯澤薫(㈱ササキコーポレーション) |
発行年度 | 2002 |
要約 | 硬度が高く石れきを含む果樹園の土壌に適応可能で、約 70cm間隔で幅7cm、長さ 25cm、深さ 20cm 程度の穴を掘削し、同時に土壌中に肥料を施用したあと覆土することができる施肥作業機である。わい化リンゴ園で施肥量が 85kg/10a 時の作業能率は 10a/h 程度である。 |
キーワード | 果樹、施肥、土壌掘削、コイル刃 |
背景・ねらい | 果樹栽培における施肥作業は、ブロードキャスタ等を利用した地表面への全面散布が一般的である。しかし、資材の有効利用や環境保全の観点から、土壌中の移動が少ないリン酸肥料は土壌中に施用することが望ましいとされているほか、高品質生産や肥効調節が可能な被覆肥料を利用するためには、土壌中に施用する必要がある。そこで、果樹園の土壌中に粒状肥料や有機質資材等を施用できる作業機を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 開発した果樹用局所施肥機は歩行型クローラ式で、走行部、施肥ユニット、肥料ホッパ、肥料分配部からなる(図1、表1)。 2. 施肥ユニットは、2本のコイル刃と肥料排出スクリュを内蔵した施肥パイプからなり、公転軸を中心に 90 度間隔で4組配置した。各ユニットは、機械的な動力伝達機構によって自転し、本機の走行に伴って進行方向に公転する。本装置により、約 70cm間隔で、幅7cm、長さ 25cm、深さ 20cm 程度の穴を掘削し、土壌中に肥料を混和できるほか、コイル刃により耕起することができる(図2、3)。 3. 肥料ホッパは容量 60L で、回転式撹拌装置、シャッタ式調量装置を備える。ホッパから排出された肥料は、公転軸に備えた肥料分配部で、4組の施肥パイプに順次供給され、施肥ユニットに送られる。肥料繰出し量はシャッタの開度調節で 0.2~2kg/min範囲で調節可能である。 4. 作業能率は、わい化リンゴ園(樹列間5m)で作業速度 0.15m/s で粒状肥料を 85kg/10a 施用した場合に 10a/h、ニホンナシ園(樹列間3.8m)で作業速度 0.07m/s で粒状肥料を 144kg/10a を施用した場合 3.8a/h、0.21m/sで68kg/10a 施用した場合 7.2a/h である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 2003年(平成 15 年)にメーカから市販の予定である。 2. 1行程の最大処理能力は 150kg/10a である。 3. 雑草が繁茂しているとコイル刃に絡むので、除草後の利用が望ましい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 土づくり 肥料 病害虫 雑草 除草 施肥 りんご わい化 |