カラマンシー混入シイクワシャー果汁簡易識別法

タイトル カラマンシー混入シイクワシャー果汁簡易識別法
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 果樹研究所
研究期間 2004~2004
研究担当者 小川一紀
森根佐江子(JA沖縄経済連)
太田英明(中村学園大学)
矢野昌充
當銘由博(JA沖縄経済連)
発行年度 2004
要約  純粋シイクワシャー果汁飲料に対するカラマンシー果汁混入の有無をカラマンシー特有成分3',5'-ジ-C-β-グルコピラノシルフロレチンを測定することで、正確に判定できる。
キーワード シイクワシャー果汁、カラマンシー、3',5'-ジ-C-β-グルコピラノシルフロレチン、簡易識別法
背景・ねらい
 沖縄県では健康機能性成分のノビレチン等を多く含む沖縄県特産カンキツ、シイクワシャーの原料不足に乗じ、カラマンシー果汁をシイクワシャー果汁と詐称して販売する事例が多発した。公正取引委員会は立ち入り調査を行い、平成15年4月、悪質企業に対する排除命令を出した。しかし、カラマンシー果汁混入の有無を科学的に判定する方法は確立されていなかったため、商品検査によるカラマンシー果汁混入の立証はできなかった。純正シイクワシャー製品の流通を保証するためのチェック技術として、シイクワシャー果汁製品に対する輸入カラマンシー果汁混入の有無や混入割合を正確に判定出来る技術を開発する必要がある。
成果の内容・特徴 1.
カラマンシーには特徴的な成分、3',5'-ジ-C-β-グルコピラノシルフロレチン(図1)が含まれるが、シイクワシャーには全く含まれない(発表論文2参照)。
2.
3',5'-ジ-C-β-グルコピラノシルフロレチンの簡易迅速定性分析のための試料調製は表1に示したように簡便化できる(表1)。
3.
3',5'-ジ-C-β-グルコピラノシルフロレチンは薄層クロマトグラフ法(図2、表2)により、簡易に存在を確認することができる。
4.
3',5'-ジ-C-β-グルコピラノシルフロレチンを高速液体クロマトグラフ法(HPLC)を用いて定量することにより、カラマンシー果汁の混入割合を判定できる(データ略)。
成果の活用面・留意点 1.
検査指導機関などの公的機関において、シイクワシャー製品にカラマンシーが混入されていないことを認証するために使用できる。関連特許は既に(社)日本果汁協会に許諾済みである。
2.
TLC法では10%果汁までは濃縮操作なしで判定できる。それ以上に希釈された製品については濃縮操作が必要である。菓子などの加工品についてもメタノールなど適当な溶媒を使用することによって本法を適用することができる。
3.
3',5'-ジ-C-β-グルコピラノシルフロレチンは市販されていないので、Ogawaらの方法(2001)に従って調製する必要がある。
図表1 213118-1.jpg
図表2 213118-2.jpg
図表3 213118-3.jpg
図表4 213118-4.jpg
カテゴリ 加工 機能性成分 その他のかんきつ

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