タイトル |
生産履歴オンサイト・リアルタイム記録システム |
担当機関 |
(独)農業技術研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
横山和成
竹中重仁
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発行年度 |
2002 |
要約 |
日々の農作業記録や現場で生産者が気付いたこと、感じたことなど、農産物に関わる多種多様な情報を携帯電話のインターネット接続サービスを利用して文字、画像、音声の形で現場から簡便に蓄積するシステム
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キーワード |
現場情報、増殖型データベース、携帯電話、安全性、トレーサビリティ
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背景・ねらい |
農業は生産者が長年培ってきた勘と経験によって支えられている。この勘と経験は、一般に極めて個人的属人的情報として埋没し、同世代の他者や、次世代に継承されることが非常に困難であった。この情報を有効利用あるいは継承可能な情報として残すためには、基礎となる農作業の現場情報を、電子記録など高度に利用可能かつ臨場感を保った形で蓄積することが必用である。
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成果の内容・特徴 |
- LINUXサーバー上に、携帯電話のインターネット接続サービスを利用して、日時、圃場、作業者、作物、作業の文字情報と音声および画像情報を現場から直接入力可能なデータベース「サイファーズダイアリー」を構築した。
- メニュー選択方式であるためキー入力の手間を省くことができ、サーバー機に備えられた音声モデムに直接通話音として、もしくはファイルのメール添付機能付き携帯電話からは添付ファイルとして音声やデジタル画像などの複雑な情報も現場から直接入力できる。(図1、2)。
- 登録されるデータがシステムを利用する農家間で共有されるため、新規就農者など技術未習熟農家の参考となる他、習熟農家にとっては、常に複数の営農事例を参照することが出来る。
- 普及、指導機関との連携により、リアルタイムの普及指導に活用されている。
- 生産者と圃場番号を一意の識別符号として、流通、加工、販売、消費の各過程で同じシステムを使用することにより、低コストで実用性の高い農産物の履歴管理(トレーサビリティ)システムとして利用することができる(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 生産履歴トレーサビリティシステムとして活用する場合は、インターネットの公開性を生かし、公開の場で入力情報の検証、履歴の認証を行う精通者、有識者等による公開協議会と言った仕組みを同時に設けることにより、履歴トレース情報の利用が一層効果的になる。
- 音声情報を通常の携帯電話回線から一般回線を経て入力する場合、入力時間の長さに制限はないが、その場合話し中状態を避けるために、電話設備の敷設時と同様、利用者数、利用頻度に応じて十分な回線数を確保する必用がある。交換機等の設備費が高価になる場合は、図2に示した音声ファイル添付メールで入力する方式を採用することにより、使用頻度に束縛されずに利用者を増やすことが出来る。但しこの場合、入力時間は携帯電話機の性能に依存する。
- システムを公開した場合、携帯電話のシステム上、入力者の接続電話番号、メールアドレス等の個人情報がデータベースによって自動的に取得されるが、その場合も、システム管理者以外の第三者に閲覧されないことを明記する必用がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
加工
データベース
低コスト
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