タイトル |
作物吸収と相関の高い土壌カドミウム (Cd)測定法 |
担当機関 |
土壌特性研究室 |
研究期間 |
2002~2004 |
研究担当者 |
吉田光二
杉戸智子
|
発行年度 |
2004 |
要約 |
土壌と抽出液の比率(土:液比)1:5、室温、30分の抽出条件で0.01M塩酸によって土壌から抽出されるCd(0.01M塩酸可溶性Cd)含量は豆類、麦類、野菜類等の可食部Cd含量と相関が高く、これら作物のCd含量の推定に利用できる。
|
キーワード |
塩酸可溶性カドミウム、可食部カドミウム含量、マメ類、ムギ類、野菜類
|
成果の活用面・留意点 |
- 既存の方法より10倍薄い0.01M塩酸で抽出される北農研試験圃場土壌のCd量は、ダイズ子実Cd含量と相関が高く、有機物施用の有無等による差は無視できる(図1)。
- 北農研内のCd人工汚染土壌を用いた抽出条件の検討によれば、0.01M塩酸可溶性Cd含量は土:液比が小さい方が少ないが、30℃で抽出時間が1時間の場合を除き、抽出温度・時間の差が小さく(図2)、0.01M塩酸可溶性Cdの抽出条件としては土:液比1:5、室温(20~30℃)、抽出時間30分が適している。
- 道内の一般農家圃場、東北農研の現地試験圃場・枠圃場から採取した土壌の0.01M塩酸可溶性Cd含量とダイズ子実Cd含量の間に正の相関が認められる(道内の例を図3に示す)。
- Cd人工汚染土壌で栽培したダイズ、インゲンマメ、アズキ、春まきコムギ、秋まきコムギ、チンゲンサイ、ホウレンソウ、コマツナ、ダイコンの可食部Cd含量においても土壌の0.01M塩酸可溶性Cd含量と高い正の相関がある(表1)。
- 以上のことから、上記条件で抽出される土壌のCd量は豆類、麦類、野菜類の可食部Cd含量と相関が高く、これら作物可食部Cd含量の推定に用いることができる。
- ダイズ以外の作物はCd汚染土壌についての結果である。
- Cd含量はいずれも乾土あるいは乾物当たりで示してある。
|
図表1 |
 |
カテゴリ |
あずき
いんげんまめ
こまつな
だいこん
大豆
チンゲンサイ
ほうれんそう
|